13.これからの二人 ページ13
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菅原に好きだと言われて抱き締められて。
嬉しい気持ちもあったけど、納得いかない気持ちもあった。
どうして今さらそんなこと言うの?
それなら、どうして彼女と付き合ったの?
その疑問符への回答は
澤村のことが関係してたのかなって
すぐに浮かんだ。
優しい菅原のことだから……
澤村の気持ちをわかってて、こうしたのかなって。
私も……澤村に告白された時、大事な友達の結のことが思い浮かんだから。
「……私のこと好きでいてくれたけど、今は彼女のことが好きなんでしょ?」
私がそう言うと、菅原は気まずそうにうつ向いた。
答えはどちらでも関係ない。
私の気持ちがどうかなの。
「彼女のことは好きだけど……俺は宮下のことがもっと前から好きだったんだ」
「けど、彼女を選んだんでしょ?」
「それはっ………その…………」
「………澤村のこと?」
私が澤村の名前を出したら、菅原は途端に慌てた。
「大地と!?まさか、付き合うのか?」
私はその言葉に首を振る。
そして、全てが遅かったことに気づいたんだ。
菅原が私を好きでいてくれていたことはうれしいけど
先に行動して、気持ちが叶ったのは今の彼女だったんだということ。
今、菅原が大事にすべきなのは
私ではなく澤村でもなく彼女なんだということ。
「気持ち、伝えたかっただけだから。彼女と仲良くね」
そんな台詞を言うのは辛かった。
けど、きっと菅原が彼女を選んだときから
結末はこれしかありえなかったんだ。
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作者名:茜 | 作成日時:2019年3月22日 11時