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彼の隣に立って一番初めに思った事だ。
相応しい女の子じゃないから隣に立っちゃダメだって思い込みだけどそう感じてしまった。
彼女として立てる自信がなかった。
友達の時よりも居心地が悪くてわたしの悪い所ばかりが目立ってしまう。そんな気持ちがあったから彼からも愛想をつかれてしまったんだろう。
「でも実際はさ、全然そんな事ないんだろうなー。まふまふ先生とかそらる先生が彼女にした人なら絶対素敵だろうし、彼女が重く受け止めてるだけなのかも」
「…………、」
「自分の魅力程人間は気づけないものだからね〜。難しいよね」
「うん。……そうだね」
こういう所が望ちゃんの凄いところだ。占い師みたいにポンポンと思ってることを当ててくる。それで、なんでもない顔で救ってくれる。本人は救ったなんて微塵も思ってなんだから、尚更すごい。
「そういえば今日の美術何するんだっけ？」
「今日は確かデッサンだった気がする……」
「好きな子とペア組んでいいなら、一緒に組も〜！」
「うん。もちろん」
デッサンかぁ…。
体育の授業より美術の授業の方がずっと好きだけど、モノクロで書くのはあんまり得意じゃないんだよなぁ。
どちらかと言えば色を使って、長時間絵を描く方が好きだ。その時間絵と向き合えるような気がして…。
「っ！」
望ちゃんと話しながら、移動している途中で向かい側から歩いてくる女の子数人とぶつかってしまい、後ろによろけてしまった。
「大丈夫！？ちょっと！ぶつかってきたんなら謝んなさいよ！」
ギョロっと女の子数人の方を睨みつける。しかしそれに怯むこともなく女の子数人はクスクスと笑った。
「あ、ごめーん。見えなかったー」
「ぶつかって欲しくなかったら、端歩けよ」
「ふふっ、言えてるー。てか、存在が邪魔」
「！アンタねぇ！？」
「望ちゃん、わたし平気だよ。怪我もしてないし。…ね？」
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