【歌い手】学園メモリアル②【smus】 (ページ3)

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よくよく見れば綺麗な顔立ち。
確かに目つきは悪いが、光の加減で青にもグレーにも見える瞳から目を離せないでいた。

「あ、いや…、別に」

──何だこのイベント……！！！
(可愛い)女子高生から押し倒されるとか現実でもう一生来ないイベント……！！！──

ごめんという謝罪より本来ありがとうを貰うべきなのかもしれない。そんなことを思いながらうらたぬきは「大丈夫か？」と声をかけた。Aはその声にハッと意識を取り戻し直ぐに距離を取ろうとした。

「ちょ、ちょっと待ってね。足が上手く…」
　──危ない、危ない。魅入ってしまうところだった…。──

「あ、おい。一回抱きつけ」
「え」
　──はっ？──

うらたぬきはAの腰を抱いて自分の方に引き寄せる。こうしてみてわかったが、結構うらたぬきは筋肉質だ。

──えっ、なに！？このシチュエーション何！？
抱きしめてどうなるの！？え、え！え！？

おいここ、スチル入れろやっゴラ！！！！──

絶対ここは一枚絵が合ってもおかしくなかったはずなのに無い。スーパースクショタイムは無いため、今この時間を堪能していた。

お互いのドクドクと高鳴っている心臓が重なり、少し汗の匂いと、違う洗剤の匂いが混じる。それだけ近い距離にどうすればいいか分からなくなってきたAは小さく「えっと、あの、」と声をもらしていた。

「よいしょっと」
「わっ」
　──え、こんな簡単に起き上がれるもんなの…？──

「こういうのは同時に起き上がった方が早い」
「そ、そうなんだ……」

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