◯ ページ38
「センラ君…、久しぶりね。
そっちの子は新入りさんかしら?」
「そー。たまにウチに来てくれはるんですよ」
「ふふ。二人ともよくお似合いだわ」
まるで、カップルみたいね。
自分の口から零れ落ちた言葉は
あまりにも虚しく、目頭が熱くなる。
ジッと。
その場を見つめるだけだった志麻が口を開き、
彼女を引き寄せる。
「なら俺らは邪魔しないうちに奥行こうかね〜」
彼女の顔を隠すようにリードする。
馬鹿だな、どうでもいい事で弱気になったりして。
「何、泣きそうになってんだよ」
半分怒りの混ざった声で、
個室に入って彼女に言い放つ。
「泣いてなんてないわよ。放っておいて」
「出来るわけないだろ」
無理にでも彼女に此方を向かせれば、
大きな瞳に涙を溜めている。
我慢して押し殺していた涙は形になり一筋、
頬を伝う。
「ホラ。やっぱり泣いてんじゃん」
「っ…や、離し、てっ!」
「逃げんな」
包み込むように彼女を抱きしめて、耳元で囁く。
限界寸前だった彼女は崩れ落ち、
小さい子どものように泣き噦る。
「俺なら泣かせたりなんてしない、だから」
"俺にしろ"
押しに弱い彼女を揺れ動かす強い言葉と、
それを利用するオンナ。
ねぇ、ズルいのはどっちだろうね。
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Would you like Sima ?
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MUSIC : Peacock Epoch
志麻さんは圧倒的に美人かつ大人で綺麗な人がいい。そして、叶わない恋とかだとすごく美味しい。
なんていうんだろう、悲しい恋愛が似合うんだよね。
幸せになってください。
@ドッキリ企画 まふくんに恋する彼女→←〈曲パロ〉Peacock Epoch〈志麻〉
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