◆OCTAVINELLE ページ23
【お姫様取り替えっ子】
[ オクタヴィネル × 暴食姫]
「……むっ、り!溺れちゃ!」
「アハハハッ、溺れるわけないじゃん」
夏が近づくこの季節。魔法が主であるはずの学校でプール開きが開催される。毎年クロール25mを課題で出される授業に補習は避けたいため、オクタヴィネルの三人に教わっているのだが、絶賛顔付けで止まっている。
「そんなに暴れるから溺れるんですよ」
「そうですね。水から恐怖を無くせばいいと思いますよ」
無理やり引っ張るフロイドとは違い優しい言葉を使って教えてくれる二人だが、知っている。これはさっさと終わらせてくれないかなの合図だ。
「……そ、んなこと…言われたって」
冷たいし、水中では目が開けられない。髪の毛だって重くなるし、いい事ないじゃないか。なんて出来ない事にしょんぼりしていればフロイドが笑って言い出す。
「つーか、アンタは溺れることないんじゃないの?」
「……?なんで?」
「だって、でっけー浮き輪が二つもついてるんだし?」
絶対浮かぶよ。と言われたが浮き輪なんて持ってない。しかしアズールとジェイドはその意味を理解したらしく、ふわりと笑うウツボと、フロイドの名前を叫ぶタコ。
「……??なんの話してんの」
「おや。難しかったみたいですね」
「……ムカつく」
「わかんないならー、触って教えてあげよっか?♡」
「フロイド、やめなさい」
なんの話をしているか分からないが、馬鹿にされているような気がする。言い争いをする二人から少し離れてジェイドに上手く浮かべる方法を教えてもらった。
「いいですか?まず深呼吸をして、心を落ち着かせるんです。それからゆっくり水に浸かって…」
「……ばーーーっ、落ち着き方忘れたー…」
おやおや。なんて言いながら微笑むジェイドであったが、この後上手く泳げることはなかった。
────…
ネコ科の動物が水嫌いっていうのを聞いたので、あったかもしれない世界。
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