@10/3 センラ(くん)に恋する彼女 ページ22
「買っちゃった……」
御丁寧に箱のラッピングまでされたそれを両手に持って見つめる。もはや箱の時点でキラキラと輝いて見えるそれの中身は万年筆でわたしの最推しであるセンラくんへの誕生日プレゼントだ。
事の発端は去年と同様、A先輩に相談した所良い店を知っていると何件か連れていかれたうちのひとつが万年筆だった。
メモを取るサラリーマンなら使い易いものが良いだろうという配慮に流石だと感じつつ、ショーケースに入ったそれを見詰める。
「万年筆って、こんなに高いんですか」
「背筋を伸ばしなさい。ここは万年筆の中では有名なお店なの」
さも当然のようにサラサラと答えているが、普段そんな店に寄り付くわけもなく先輩の普通についていけない。
「どうせなら書きやすいのがいいでしょ?」
「なら、SARASAとかでいいんじゃ、」
「推しにそんな適当なのあげるつもり?」
「あげませんけど……!!!」
流石にSARASAはないけど!…というかその話し方だと、あげたのか、推しに。先輩の推しといえばお船のリーダーのうらたぬきさんだ。……彼女持ちだというのに、よくするな。
「……あの、先輩、」
「ええ。勿論プレゼントしたわ、先日」
台本にでも使って欲しくて。とにこやかに言った先輩。うっわぁー、清々しい。志麻さんがとても可哀想……!!
「丁度…、あ!あれをプレゼントしたの」
「わー……、」
ゼロの数何個あるの…。あんなの素手でもてないじゃん…。え、常、白手袋?
高そうなダイヤが埋め込められた二本セットの万年筆。勿論日本製である。ん?二本セット……?
「仕事とプライベート用ですか?」
「馬鹿ね、うらたさんと彼女によ。志麻くんと選んだの」
センスが良いでしょ?と真顔で言っているが、先輩だからこそそのセリフが納得出来る。…てっきりうらたぬきさんだけにだと思っていたけれど。なんだ、良かった。志麻さんとも幸せそうでなによりだ。
「その時にメンバーで揃えたら面白そうね。なんて事になったんだけど」
「はい、」
「どうも一組、箱も開けずに一生を終えそうと話をしてやめたのよ」
……、直ぐに思いついてしまってごめんなさい。坂田さん。確かに縁がないというか、あってもその辺のペンを適当に使ってそうだ。
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こんぺいとう。(プロフ) - ☆Mercury☆さん» ありがとうございます!私、ついに師匠になったのですね!!分かりました!頑張ります!! (2020年2月29日 22時) (レス) id: 5845111e18 (このIDを非表示/違反報告)
☆Mercury☆(プロフ) - ふえー!!めっちゃ楽しみにしてました!!新しい彼女ちゃんたちが....!!一生ついていきます。師匠!! (2020年2月29日 13時) (レス) id: a1aa4e6d76 (このIDを非表示/違反報告)
海 - 初コメ失礼いたします、ずっと前からこの小説を読ませていただいて本当に感動しています!語彙が豊富だし、こんぺいとう。の名前の通りいろんな色のお話楽しみにみています。夢への努力と小説更新大変かもしれませんがずっと待ってます!! (2019年10月26日 20時) (レス) id: b53af4e032 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury(プロフ) - よ、よかったぁ〜!ライブの小説が丁度あがっていたからもしかしたら...。と思いまして( ;∀;)ごめんなさい。福岡でしたか!私は北海道でした!弟さんも良かったですね!! (2019年9月25日 20時) (レス) id: a1aa4e6d76 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう。(プロフ) - Mercuryさん» あ!いえ!全然大丈夫ですよ!福岡に参戦してました^^* とても楽しめましたよ◎末っ子くんもますますファンになっていました^^* (2019年9月25日 19時) (レス) id: 5845111e18 (このIDを非表示/違反報告)
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