▽◯ ページ5
「えへへー。愛されてるなー」
「当たり前だろ。……後、ご飯もありがとう。今から食べるね」
「うん。食べて食べて」
話しているうちに目が覚めてきたのかだんだんいつもの声に戻ってくる彼女。あーあ、これを毎朝聞かなきゃやってらんないよ、ホントに。
「あ!」
「何?忘れ物?」
「違うよ!!……あるかもしれないけど、今ね富士山見えた」
富士山が見えるということは、新幹線なのかな。そう言えば何処に行くのか聞いてなかったけど、それは帰ってきてからでもいいか。
「写真送るね!」
「えぇ、それよりAの写真がいい」
「!……わがままだな」
「うん。わがままだから送って〜」
仕方ないから送ってあげるよ。と何故か上から目線の彼女にお礼を言いつつくだらない話をしてその場を凌ぐ。
「あっ、ヤバっ。もう出る時間だわ!」
「え、遅刻しちゃう!大変!!」
「んじゃ、もう切るね」
「うん!頑張ってね!」
そっちも楽しんでという声と共に名残惜しい電話を切って、準備を済ませて仕事へと向かう。
もちろん、彼女のお弁当を持って。
今日のスケジュールはLIVE前のミーティングに声優業の仕事がいくつか。忙しければ忙しいほど、いつもの日常を取り戻していたのだが、帰ってきた途端に当たり前にいるはずの彼女の声がない。
「……ただいま、」
帰ってこないおかえりが恋しい。
あー、寂しい。アイツどうしてんだろ?
もうホテルとかついてるのかな。
20時。もしかしたら社員の皆で食事をしているかもしれないし、温泉に入っているかもしれない。
楽しみを邪魔したくはないけれど、オレも楽しみたい。なんと傲慢な感情だろうか。
「電話したら怒るかなー、」
嫌でも、案外個人部屋で暇してるかもしれないし。くっそ、聞いとけばよかった……!!なんて感じていれば、彼女の方からLINEがくる。
それは、今朝言っていた写真と、今からご飯という報告。
「オレも飯食べるか……」
一度スマホを置いて、彼女の作ったご飯を温めようとレンジへと向かう一人の空間。
まだ寂しさは30パーセント。
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こんぺいとう。(プロフ) - ☆Mercury☆さん» ありがとうございます!私、ついに師匠になったのですね!!分かりました!頑張ります!! (2020年2月29日 22時) (レス) id: 5845111e18 (このIDを非表示/違反報告)
☆Mercury☆(プロフ) - ふえー!!めっちゃ楽しみにしてました!!新しい彼女ちゃんたちが....!!一生ついていきます。師匠!! (2020年2月29日 13時) (レス) id: a1aa4e6d76 (このIDを非表示/違反報告)
海 - 初コメ失礼いたします、ずっと前からこの小説を読ませていただいて本当に感動しています!語彙が豊富だし、こんぺいとう。の名前の通りいろんな色のお話楽しみにみています。夢への努力と小説更新大変かもしれませんがずっと待ってます!! (2019年10月26日 20時) (レス) id: b53af4e032 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury(プロフ) - よ、よかったぁ〜!ライブの小説が丁度あがっていたからもしかしたら...。と思いまして( ;∀;)ごめんなさい。福岡でしたか!私は北海道でした!弟さんも良かったですね!! (2019年9月25日 20時) (レス) id: a1aa4e6d76 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう。(プロフ) - Mercuryさん» あ!いえ!全然大丈夫ですよ!福岡に参戦してました^^* とても楽しめましたよ◎末っ子くんもますますファンになっていました^^* (2019年9月25日 19時) (レス) id: 5845111e18 (このIDを非表示/違反報告)
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