▽@2泊3日 うらたんに恋する彼女 前編 ページ4
〈 結月。様 から リクエスト 〉
「この時期に社員旅行?」
彼女の口から出た言葉は意外にも予想を越えていて、触れていたスマホを置いて、視線を送った。
「そう!年末はどこも忙しいし、家族の方が大事だっていう人多くてさー。だから、夏休み前のこの時期に2泊3日でお泊まり行ってくるから!」
ご飯は作っておくし、もし足りなかったりしたらコンビニで適当に買ってね。なんて、まるで小学生男児をお留守番させるような口調で楽しそうにお泊まりグッズをカバンに詰めていく彼女。
それが今日だと言うことをすっかり忘れてしまっていた。
「ん……、アイツ居ねーじゃん」
隣を見てもねぼすけな彼女は居なくて、変わりにクシャクシャになったシーツが目立つ。間抜けな寝顔にイタズラをするのが日課なオレは、少し味気ない朝を迎えながらリビングへと向う。
うるさい彼女の居ない部屋は静寂で、心無しか足音が響く。
「家出、とか?」
少し不安になったのもつかの間、すぐ側にあるテーブルの上に置き手紙が置いてあった。
「……『言うの忘れてたんだけど、そういえば今日から社員旅行でした!起こすのも悪いから、メモ残しとくねー!
ご飯は全部冷蔵庫!何かあったら連絡ちょうだいね!』って、本格的に小学生扱いじゃん」
彼氏だって自覚あるのか。なんて、思いながら冷蔵庫を開ければ、ご丁寧にも日付貼ったタッパーが並べられている。
「……。普通にすき」
いや、有能すぎる。
普段家事を全くしないオレにとって彼女のいなくなった家はホームレスのおっさんと同等になる。流石に洗濯や掃除はどうにかなるけど、料理だけは直ぐにしろと言われて出来ないものだ。
「…電話しよ」
ふと思いついた思考に、迷わず彼女へ電話を掛けてみる。直ぐに電話に出た彼女はいつもより早い時間に起きているせいなのか少し眠たそう。
「もしもし?……うらたん、?」
「あ、もしかして寝てた?」
「ぅん?……んー、ねてたかも」
移動中らしい彼女。どうやらタイミングが悪かったのか後でかけ直すよと言えばハッキリしないような声で「うらたんの声聴けて幸せだぁ」なんて言ってくる。
くそ、可愛い。
「どうかしたの?」
「ん?別に。……朝見送り出来なかったから、大丈夫かなって。心配してた」
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こんぺいとう。(プロフ) - ☆Mercury☆さん» ありがとうございます!私、ついに師匠になったのですね!!分かりました!頑張ります!! (2020年2月29日 22時) (レス) id: 5845111e18 (このIDを非表示/違反報告)
☆Mercury☆(プロフ) - ふえー!!めっちゃ楽しみにしてました!!新しい彼女ちゃんたちが....!!一生ついていきます。師匠!! (2020年2月29日 13時) (レス) id: a1aa4e6d76 (このIDを非表示/違反報告)
海 - 初コメ失礼いたします、ずっと前からこの小説を読ませていただいて本当に感動しています!語彙が豊富だし、こんぺいとう。の名前の通りいろんな色のお話楽しみにみています。夢への努力と小説更新大変かもしれませんがずっと待ってます!! (2019年10月26日 20時) (レス) id: b53af4e032 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury(プロフ) - よ、よかったぁ〜!ライブの小説が丁度あがっていたからもしかしたら...。と思いまして( ;∀;)ごめんなさい。福岡でしたか!私は北海道でした!弟さんも良かったですね!! (2019年9月25日 20時) (レス) id: a1aa4e6d76 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう。(プロフ) - Mercuryさん» あ!いえ!全然大丈夫ですよ!福岡に参戦してました^^* とても楽しめましたよ◎末っ子くんもますますファンになっていました^^* (2019年9月25日 19時) (レス) id: 5845111e18 (このIDを非表示/違反報告)
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