【短編】君 と 僕ら の 七日間 �� / 《五日目》 ページ36
「駆け落ちごっこしよっか」
休日の朝。
突拍子もないひと言に言葉が出てこない。
ニコニコと崩さない笑顔で言い切ったのは次男のうらたんで、いつの間にか準備されていた荷物を手に取って家を飛び出す。
「っ、まってうらたん！……いきなり、なに」
「だから、駆け落ちごっこ。ちょっと息抜きするだけだって」
「…っ、」
何処まで見透かされて居るんだろう。
人の感情や変化には直ぐに察するくせに、自分のことは一切教えないうらたんは本当にずるい人で。今もこうして建前の理由を作って、息の詰まる城から抜け出してくれる。
「何処まで行くの？」
「Aが行きたい所まで」
電車を乗り継ぎ、知らない土地まで辿り着く中、都内に離れれば離れるほど人が居なくなる。
隣同士に座った席で肩を寄せ合い、頭を預ける。
ガタン、ガタン。
街並みを変えていく車窓は、心拍数をかき消して、弱い考えを埋めていく。
「なら、ずっと傍にいて」
縋る想いが『恋』と言うなら、それでいい。
孤独を愛せないのなら『恋』でいい。
ひとりでは耐えきれない想いは『恋』だと錯覚すればいいから。
「うん。いいよ」
重なった手のひらはかしくんとは体温が違って、
キスの感触もさかたんと違う。
気遣いだって、優しさだって、甘やかし方だって、
まふくんや志麻くんとは違う。
全てを否定したって応えは何も出てきやしなくて、たまたま連れ出してくれたうらたんを選んだ。
……酷いオンナだ。
そこに私情すら挟まなければ他人任せの人生になんの価値もない。
「……二人っきりだね。うらたん」
「そうだな」
「ふふっ。なんだか恋人みたい」
握りしめた手を離して欲しくはない癖に握り返しはしない。罪悪感ばかりが募る心の隙間を何で埋めればいいのか分からなくなってしまったな…。
「A」
私は、うらたんの手をとった。
《五日目》駆け落ち / うらたぬき
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秋月 - 別の端末から失礼します。ありがとうございます！あと、フルート吹いてる人って、可愛い人多いらしいです！ (2020年2月10日 7時) (
レス) id: 88c4a40b02 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう。(プロフ) - 秋月さん» 本当に楽器吹ける方かっこいいです……！外国語を二種類以上喋れるぐらい凄い……！！部活動頑張ってください！応援してます！ (2020年2月5日 21時) (レス) id: 5845111e18 (このIDを非表示/違反報告)
秋月 - 私、吹奏楽部でユーフォニアムやってるんですけど、楽器吹ける人ってほんとにかっこいいですよね！ (2020年2月5日 17時) (レス) id: cfcc3d67f4 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう。(プロフ) - 湖宵さん» 博多弁かわいいですよね？というか、方言がまず可愛い。もう武器になりますからね！ そうですね、注意事項を載せて書いてみます！vol.9の方で連載致します。リクエストありがとうございます。 (2019年3月13日 10時) (レス) id: 5845111e18 (このIDを非表示/違反報告)
湖宵(プロフ) - 10000hitで個人的に志麻さんに博多弁を話して欲しいと書いてありましたが私もすごく同感です！博多弁っていいですよね！志麻さんの土佐弁聞いてから土佐もいいなって思うんですけど博多弁話して欲しいです。なので強引かもしれませんが志麻さんの博多弁ver.読みたいです (2019年3月12日 22時) (レス) id: 7326535de9 (このIDを非表示/違反報告)
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