long hair *10 ページ10
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急に目の前に手のひらが近づいて
おでこに小さな衝撃が走る
少し時間が掛かってデコピンされたことに気づいた。
「今日は昨日にも増してぼんやりしてんな。もう授業は終わったぞ。」
「おー夜久くんではないですか。」
夜久くんのデコピンは優しくて可愛いなーなんて思う。
「急に攻撃されてその反応かよ。お前も意外と呑気なんだな。」
「そんなことないと思うんだけど…」
「高校に入ってから百瀬の、のんびり屋が移ったんじゃないか? ずっと一緒にいると似てくるっていうもんなー。」
褒められてはないにしても
ももと似てるなんて初めて言われた。
ももと一緒なんて、少し嬉しいかもしれない
「普段からしっかりしてるように見えて、こいつは前からちょっと抜けてるところがあるんだよ。」
そう言って背後からクロの声が聞こえる。
…貴方はいつからそこに居たんですか。
ずっと私から遠く離れた煌びやかな場所にいたはずなのに
それを眺めるだけで満足してたのに、
なんでこういうふうに不意に現れて私を喜ばせてしまうんだろう。
そんなこと言われたら、一瞬でも私を気にかけてくれてるんじゃないかなんて思いあがってしまう。
そんなことを考えつつ、
今自分がおかれている状況にはっとする。
私1人がバレー部の男子2人に前後を挟まれている。
いくらクロは幼馴染だと言えど、
教室でこの状況は話しづらい。
「ももー、明後日の映画のことなんだけどさ…」
堪らず私は親友に助けを求めた。
ひと通り、ももとの日曜日の予定を決め終えて
鞄から教材を取り出そうとした時にあっ…と思わず声が出る。
「タオル返す機会逃しちゃったな…」
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仁(プロフ) - 大好き。マジありがとうございました!!!!! (10月14日 18時) (レス) @page50 id: 270b34836a (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - クロさんじゃなく夢主さんはうちと結婚しましょう(()) (7月30日 12時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - 尊い…好き…ナニコレ、最高でしかない…!!!キュンキュンが止まりません、マッハです!!神作ありがとうございました!!! (2022年7月14日 16時) (レス) @page50 id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
LUCA(プロフ) - とても素敵な話でした。後半から感情移入してしまって、泣いちゃいました!ありがとうございました!! (2022年6月26日 17時) (レス) @page50 id: 26acec27f5 (このIDを非表示/違反報告)
たま - 普通に泣きました!! (2022年5月12日 15時) (レス) @page50 id: 3f769884b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:金平糖 | 作成日時:2018年8月14日 22時