検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:22,924 hit

→13→ ページ14

.







.








『・・・ジミン、あんたまたいらないこと言ったの?』


『いや、何も言ってないってまじで
昨日あんなに元気だったのに』


『抜け殻じゃん、A』





ユナと、ジミンが心配してくれてる


でも、話す元気もなかった









あの後大学に走った



家に帰ったら、外に出れなくなること分かったから



泣きわめくこと、分かったから









ユナは講義に行ってしまって、ジミンと二人きりになった


先輩のこと聞いてくるのかな


勘付いてるだろうな









『・・・・・・帰り、飲み行こ
最後の講義終わったら昨日の店来て』









それだけ言うと、ジミンも行ってしまった




今私に事情を聞いたら私がどうしようもなくなること



分かってそう言ってくれたのかな









ジミンの優しさに泣きそうになった








.









"いらっしゃいませー"









既に来ていたジミンの席まで行くと


携帯を眺めていたジミンは顔をこっちに向け






『よ』






と言った




普段そんな挨拶したことないでしょ、とからかおうと思ったのに









涙が零れそう









泣きそうになった私の顔を見て、



『と、とりあえず、座って』


ジミンは隣をポンポン叩いて焦った口調で言った


隣に座ると、私は泣く前に全部話そうと思って


今日の朝を説明した






ジミンはただただ、頷きながら聞いてくれた



私は涙が出そうになるのを堪えた









『そっか』


「うん」


『・・・・・・でもさ、もっと前向きに考えようよ』







「え?」








ジミンから出た言葉は予想外だった









『彼女って、分かったわけじゃないでしょ』









「・・・でも、」









『真実は自分で確かめるまでわかんないんだよ
一瞬で判断しちゃいけないよ』








「でも」



『でも、ばっかりじゃダメだって』


ジミンはちょっと強い口調で言った









『ちょっとでも、希望を持とうよ』








私の泣きそうになっていた気持ちはなくなっていた








『・・・俺が応援してるんだしさ』









ジミンってかっこいいな


辛い顔を見せないように


微笑みかけてくれる


背中を押してくれる









「うん、ありがとう、明日確かめてくる」









絶望感から来る悲しみより









ジミンの気遣いにまた、泣きそうだった








.







.









.

→14→→←→12→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
196人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:とっと子 | 作成日時:2017年10月27日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。