TDDの敵は女ラッパー！？ (ページ9)

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────────30分後。

「そろそろ帰ってくるはずだ」

一郎がそうつぶやく。

『そっか…』

あれから、あの3年間について3人にどう話そうか考えていた。

でも、どう話せばいいのかいまいちよく分からない。

《ガチャ》

「兄ちゃん、ただいま！」

「一兄、ただいま帰りました！」

玄関の方から声がする。

どうやら、悩んでいる間に帰ってきてしまったようだ。

(声…全然変わってないな…)

二郎と三郎の昔の姿を思い出して、思わず笑みがこぼれる。

「兄ちゃん！今日仕事…って……だ、誰！？」

「なんだよ二郎……っ！？だ、誰ですか！？」

部屋に入ってくるなり、私を見て目を見開く二郎と三郎。

(あぁ…。やっぱり…そうなっちゃうよね…)

3年間も家にいなかったんだからしょうがないよ、と自分に言い聞かせる。

けど、二郎と三郎の昔の姿を思い出していた分、寂しい気持ちは大きくて……

『ご、ごめん一郎。今は1回外出るね。』

込み上げるものを何とか抑えながら、少し小走りで部屋を出る。

一郎の止める声が聞こえたけど、今はちょっと1人になりたくて。

そのまま、家を出た。