2.思い出話をしてみた ページ7
「うらさん、おはよう!」
「ん、おはよ」
次の日。
早速俺はうらさんと話す事に成功した。
前よりはぎこちないけれど、それでも話せた事が嬉しかった。
.....何でこんな事に使命感感じているんだろ。
可笑しいよ。
前までは話す事なんて当たり前だったのに。
当たり前の事が当たり前に出来ないのって、こんなに悲しいんだ。
駄目だ。
どうしてもマイナスな方に考えてしまう。
もっとポジティブにならなければ。
「あのさ」
「どうしたのうらさん」
「記憶無くなる前の俺らってどんな感じだった?」
「え?」
「いや...っ、何でもない。ごめん」
「何でもなく無いやろ。どうしたの?」
「あー....俺のスマホさ、爆発で壊れたみたいなんだよね。だから、写真とか、LINEとか見れないから、良かったら見せてくれないかな?」
「え」
それは...かなりまずい。
何故なら、写真はまだしも、俺とうらさんのLINEは完全なるカップルの会話だからだ。
俺は、自分のスマホを取り出し、LINEを慣れた手つきで開く。
坂田うらさん
うらた何
坂田今日うらさんの家行ってもいい?
うらたいいけど
坂田やった!
うらた何するの?
坂田うらさんからキスしてくれたら嬉しいなぁなんて
うらた却下
うん。駄目だな。
見せたら引かれる事間違いなしだろうこれは。
「うーん。LINEはあんまり手かがり無さそうだから、写真でもええ?」
「いいよ」
上手く躱す事が出来た様だ。
写真のアプリを開く。
そこには、俺とうらさんがデートしている写真が幾つかあった。
他にも、浦島坂田船の写真とか、他の友達との写真があるが、圧倒的に多いのは、俺とうらさんのツーショットである。
「これとか....」
「ん、何処だこれ。プール?」
「そう。俺とうらさんが二人でプール行ってる時の写真」
「へー...」
「あと、これは、浦島坂田船で買い物行った時の写真」
「あー....買い物は覚えてるよ。でも......」
「俺の事は覚えて無いんやろ?」
「うん....ごめん」
やはり、駄目みたいだ。
何か今日、俺駄目駄目言い過ぎている...というか、考え過ぎているような気がする。
でも、本当に駄目なのには変わり無い。
だから、これから頑張るんだ。
うらさんの記憶が戻るまで。
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メイリー - もう……えっと……ありがとうございます…!!語彙力に大ダメージがいくほど、すっごく素敵なお話でした!! (2019年12月28日 22時) (レス) id: 5870958d28 (このIDを非表示/違反報告)
瀬菜(せな)@こたぬき(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます!短いお話でしたが、そう言ってもらえて嬉しいです! (2019年2月4日 7時) (レス) id: 4540c0c235 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 良い話でした!!何回も胸が締め付けられましたー。ありがとうございました! (2019年2月4日 1時) (レス) id: 3a7b075e71 (このIDを非表示/違反報告)
瀬菜(せな)@こたぬき(プロフ) - 桜雨さん» コメントありがとうごさいます!凄く励みになります!これからも頑張ります! (2018年12月19日 6時) (レス) id: 4540c0c235 (このIDを非表示/違反報告)
桜雨 - 面白くて良い設定ですね!続き待ってます!! (2018年12月18日 22時) (レス) id: c16785dbd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬菜(せな) | 作成日時:2018年12月16日 16時