道化と……ドウケと ページ33
凛空side
『笑っていなければいけない、か』
渉「えぇ、あなたが仮面を被り、我々に接する。それがどれ程苦しいか……」
流れてもいない涙をぬぐうようなそぶりを見せる渉。
……
宗「君はもっと端的に話せないのか?……簡単に言ってやろう。
お前が勝手につらい顔をこちらに向けられると僕たちが加害者のようなのだよ……
おかしいと思わないか?」
成程、そうだよな……俺でもそう思うし。
宗の後ろには五奇人の残りが全員いた……去年ぶりか。
奏「もう、ふたりはいいかたが『めんどくさい』ですよ。
『りく』がおもいなやむひつようはないんです。『あかつき』のためにがんばったんですから」
『……そう、なのか?』
奏「『りく』は……『りっくん』はわるいこじゃありません。『ばけもの』だったぼくにやさしくし
てくれて、しかってくれて……とても、うれしかったんです」
宗「そもそも、あの時代で生徒会でありながら僕たちと普通に会話をしていたなんて、
驚くべきことだったんじゃないのかね」
それはたまに言われたな……。生徒会の奴らが言ってた。
零「お主が吾輩らから離れ、生徒会側についた時も、決して裏切ったなど思わんかったよ。
お前が、生徒会の者たちと夏目君が鉢合わせんように手を回していたことも知っておった」
『バレてたのかよ……くそ』
零「だって吾輩、お主の『お兄ちゃん』じゃから♪」
『そこまで来るとちょっと……』
引きます……というか、兄貴よそこに交番あるぞ、行くか?
うん、ちゃんと他の奴らもちょっと引いてるぞ……。
零「『ちょっと』なんじゃ!そのあとが気になる!!
ま、まぁその話は心にきそうじゃからいいわい……そもそも『五奇人』と『生徒会」この両方の
鎖でおぬしを縛ったのわ吾輩の所為じゃ」
『でも、優柔不断だった俺の責任でもある。兄貴のせいじゃねぇよ』
渉「そうだったとしても、あの頃誰もが背を向け、忌み嫌った私たちを見捨てずに最後まで
力になろうと……夏目君を守るために奔走してくださった
それに、私の最後の舞台でサイリウムを虹色に輝かせてくれました。
そんなあなたを、どうやって嫌いになればいいのでしょうか?」
気付いたら、久方ぶりの涙が出ていた。
俺の友達は、こんなに優しかったっけ……。しっかり顔も見てなかった気がする。
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そぬん - とっても面白かったです!何度も泣きそうになりました!!最高の作品でした!ありがとうございました!! (2020年7月24日 15時) (レス) id: 19aa650d6b (このIDを非表示/違反報告)
茶柱(プロフ) - そうですね……何日かに一回くらいでしょうか?場合によっては毎日更新できる日もあるかもしれませんが。不定期ですみません! (2016年11月12日 23時) (レス) id: 266ac07be9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき姫(プロフ) - とても続きが気になります!頑張って下さい!どのくらいのペースで更新されますか? (2016年11月11日 22時) (レス) id: 02f248c2a2 (このIDを非表示/違反報告)
レモみる(プロフ) - 毎回、更新楽しみにさせてもらってます!更新出来ないんですか…ちょっと残念ですけど、次の更新が来るまで大人しく待ってます!頑張ってください! (2016年10月29日 17時) (レス) id: b87a79904c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茶柱 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年10月6日 22時