ライブと席と ページ2
あんずside
創「うわぁ……凄いです、明星先輩!」
すでに私の両脇の二人は感激で我を失いかけていた。
私自身、あの子達の輝きに目がいたくて、でも眺めていたい心地よさがある。
その時、ふと気づいた。私たちのさらに隣の席が空いていることを
満「ところで、ここの席の人は誰なんだぜ〜?折角のライブを見に来ないなんて損してるぜ」
『そりゃそうだな、こんな面白そうなライブ♪』
あ「り、凛空さん!」
『よっ、創君すっかり感激しちまってるな〜。初めて見た顔だぞ』
ケラケラと笑いながらその空白の席に座る。成程、凛空さんの席だったんだ。
『しっかし、眩しすぎるくらいのライブだなぁ〜……俺にはちょっと強すぎる♪』
そういいながら、表情は笑顔だ。子供らしい年相応な表情。
きっとこの表情が本当なんだろうな。
先ほどまでUNDEADと死闘を繰り広げたとは思えないほどの穏やかな瞳。
あの鬼のような姿はあくまで紅月のものなんだろうか?
私にはこの朔間凛空さんという人がよくわからない。いや、わからせてもらえないという感じだ。
能のお面のように、様々な表情のお面をかぶっていて、本当の姿がわからない。
あの鬼のような顔も、般若面を被った姿なのかもしれない。
けれど、今はそんなことどうでもいい。この子達の輝きにすべて飲まれている。
その時、凛空さんが意外なことを言った。
『……こりゃ敵わねぇな〜……。今の俺等じゃ勝てねぇよ、な……兄貴』
悲しそうな、過去を慈しむ、とても弱々しい言葉。
いつもの余裕ある姿からは想像できない。
『まぁ、今は観客として楽しむしかな……♪』
またすぐにいつもの明るい表情に変わる。まるで私たちに悟られないように。
真緒君の出番になって、二人の視線がまじりあう。この二人が話しているところをよく見たし、
真緒君も幼馴染だと言っていた。
『……今まで散々苦労してきたんだ、真緒。でも今はお前が主役だ!
生徒会長も、敬人ももちろん俺も誰にも邪魔されない、お前だけのステージだ!!』
真(見ててください、凛空さん。あなたに俺の全力を見せますよ!)
凛空さんの強く、優しい兄の様な温かい後押しにこたえるように激しく動く。
『いいぞ……楽しいライブだよ、本当に』
その眼にはほんのり涙も浮かんでいた。
私はこの人の末端にも触れられていないのだ
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
そぬん - とっても面白かったです!何度も泣きそうになりました!!最高の作品でした!ありがとうございました!! (2020年7月24日 15時) (
レス) id: 19aa650d6b (このIDを非表示/違反報告)
茶柱(プロフ) - そうですね……何日かに一回くらいでしょうか?場合によっては毎日更新できる日もあるかもしれませんが。不定期ですみません! (2016年11月12日 23時) (レス) id: 266ac07be9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき姫(プロフ) - とても続きが気になります！頑張って下さい！どのくらいのペースで更新されますか？ (2016年11月11日 22時) (レス) id: 02f248c2a2 (このIDを非表示/違反報告)
レモみる(プロフ) - 毎回、更新楽しみにさせてもらってます！更新出来ないんですか…ちょっと残念ですけど、次の更新が来るまで大人しく待ってます！頑張ってください！ (2016年10月29日 17時) (レス) id: b87a79904c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茶柱 | 作者ホームページ：
作成日時：2016年10月6日 22時
