【3年A組】time limit 3【柊一颯】 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:11 hit、合計:97,898 hit

. ページ7

その日の夕食はカレーライスだった

レトルトではあるが温かい物を食べられると

みんなも気分を高ぶらせている

茅野「美味しいね」

『……あ、うん

そうだね』

そんなみんなと対照的に

私は昨日の先生の対応がどこか引っかかっていた

先生は

"疲労が祟っただけだ"

と言っていた

だけど

あの時の先生の笑顔は作り物のような気がしてならない

私が周りに振りまくものと同じ

私はさくらの言葉に出来るだけの笑顔で返すも

いつもみたいに上手く笑えている自身は自分でもない

そんな私を一緒にご飯を食べていた香帆たちが

心配そうにコチラを見ているのがわかった

私が出来るだけ彼女ら目を合わせないようにしていると

横から誰かに声をかけられた

甲斐「A」

顔を上げるとそこにいたのは

眉を顰めている隼人と気まづそうな表情の石倉くんだった

『どうしたの？』

甲斐「あの…

昨日は、ひどいこと言ってごめん…」

『昨日？』

甲斐「ほら、美術室で…」

『あ』

「俺はお前が思ってるような優しい人間じゃねえんだよ！

昔とはちげえんだよ！

景山のことだってそうだ！

俺は…

礼を言われるような奴じゃねえ！」

『そんなこと…』

「そんなことあんだよ！

……もう、頼むからほっといてくれ…

……どっか行けよ！」

あれか…

石倉「お、俺も！

お前のこと内通者って疑って…

悪かった！」

『そんな…！

2人とも気にしないで？』

甲斐「でも…」

『大丈夫

謝ってくれてありがとう』

そう言うと

2人は幾らか表情を明るくして席へと戻った

私の気持ちも

いくらか軽くなった気がした