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誕生日ということで有難いことに今日は休み。
好きなだけ寝て、好きな時間に起きて、なんて幸せなんだろうか。
友達と会うのは夜の19時。で、今は13時。
まだまだ時間はあるし、そろそろ部屋を片付けるか。
今日はなんだかやる気がある。
そう思い1番近くにあったダンボールから手をつけ始めた。
「え〜っと本は……」
1人でブツブツといいながら1個1個片付けていく。
結構要らないものもあるもんだな。
分別をしながら作業を続けること2時間。割と荷物も減ってきた。
「よし、次は〜」
また1個終わり、次のダンボールに手をつけようとする。
「って、なんだこれ、軽いな」
見た目は大きいダンボールだったから絶対重いと思ったのに、意外と重さはなくて。
中身なんだっけって思いながら箱をあけると、まさかの荷物に思わず手が止まった。
「……これ、」
中身は高校の卒業アルバムにたくさんの写真、そして何よりもたくさんのぬいぐるみが入ってた。
だけど全部それは見覚えのある思い出深いものばかりで。
走馬灯のようにたくさんの思い出が頭の中を駆け巡った。
震える手で1枚の写真を手に取る。
そこには男女4人が笑顔で写っていて。
今より幼い私たちが、楽しそうに身を寄せあっていた。
懐かしい…戻れるのなら、私はこの日に戻りたい。
写真の上に1粒の涙がこぼれ落ちる。
「はぁ〜……、だめだ、」
写真をそっともどし、ダンボールを閉め直した。
このダンボールの中身はまだ、今の私には向き合えない。
そう思い別のダンボールに手をつけた。
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作者名：chi
| 作成日時：2021年3月4日 23時
