42 ページ42
.
「泣くなよ(笑)うざいから(笑)」
クスクス笑いながら少しだけ乱暴に涙を拭われた後、優しく手を握られ近くにあったベンチに座らされる。
その隣に大我くんも腰を下ろし、さっきまで繋いでいた手で私の頭をヨシヨシ撫でた。
「ねえ(笑)なんでさっきよりも酷くなるの」
「だって……」
「一応慰めてるつもりなんだけど」
「逆効果、だよ……」
「何それ、ムズいな」
どうすれば泣き止む？って聞かれても、大我くんに優しくされればされるほど涙が溢れ出してきて仕方ない。
「ちなみにそれは何泣き？嬉しい？悲しい？」
「嬉し、いっ…。だけど、訳っ分かんなくて…」
「何が？」
「だって、最近までずっと、話してくれなかった…」
それなのに急に好きとか……と、途切れ途切れ伝えれば、大我くんは居心地悪そうな顔をして自分の頭を搔いた。
「いや、まあ、うん、そりゃあそうだ。」
「…。」
「自分がめちゃめちゃなことしてる自覚はある。」
「…。」
「……だけどそうすることしか浮かばなかったんだよ」
「え？」
「そうすれば、お前を守れると思ったから」
「な、に、言ってるの……？」
訳が分からず戸惑う私に「中学の時、虐められてたでしょ」と追い打ちをかけた。
「…………え？」
「しかも、俺を好きな人達に」
どうして……知ってるの…………？
話したことなんかなかったのに……
「羽田が教えてくれた」
「え、ミナが…？」
「うん、何とかしろって怒られたよ…(笑)」
最低だけど、それで初めて知った。と大我くんは悲しそうに笑う。
「口止めしてたみたいだけど、流石に見てられないって教えてくれただけだから」
「うん……」
「俺のせいなのに、頼ってくれないことに少し腹たった」
「ちがっ、」
「だけど、早く何とかしないとって思って、」
「…。」
「だから別れようとした」
「っえ……？」
「でもそれは俺が無理だった。せっかく付き合えたのに」
「っ、」
「だから距離をとることにした」
周りが別れたって勘違いしてくれるように、って……
待ってよ……何それ…………
「ダサいけど、それしか浮かばなかったんだよ」
つまり、全部私の為だったってこと＿＿＿＿＿＿？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1901人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちい(プロフ) - 大好きな作品に出会えましたありがとうございます♡Twitterも覗きに行きます♡ (8月6日 14時) (
レス) @page19 id: c90a08384d (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます。また、お待たせしてすみません（ ; ; ）番外編も作ろうと考えてますので少々お待ちください(^^)ありがとうございます！ (2023年2月1日 21時) (レス) id: ad245d709c (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - 彩花さん» コメントありがとうございます。また、お待たせしてすみません（ ; ; ）リクエスト頂いたお話とても面白そうでぜひ参考にしたいと思います！ありがとうございます！ (2023年2月1日 21時) (レス) id: ad245d709c (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 更新ありがとうございます！続きを楽しみにしてました!!リクエストなんですけど、体育祭の後の話を少しでいいので見てみたいです！ (2023年1月30日 12時) (レス) @page50 id: 09f424ba98 (このIDを非表示/違反報告)
彩花(プロフ) - 更新ありがとうございます！密かに待ってました！そしてお疲れ様です！リクエストなのですが学生で京本大我くんが好きでアピールしてる女の子と全く興味ない京本大我くんのお話が見てみたいです、、！ (2023年1月28日 23時) (レス) @page50 id: 882fe032cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chi
| 作成日時：2022年6月18日 16時
