骨抜きモビー ページ12
(side Izo)
夕食時となり、いつものように食堂へと入る。しかし、中は異様な空気に包まれていた。
若いクルーがキッチンで慌てている。そいつが見つめる先では煙が上がっていた。
ク｢サッチ隊長！それ！焦げてますよ！｣
ボサっとしてフライパンを振るっていたサッチが肉を焦がした。いつものサッチなら食材を無駄にするなんて一番嫌うはず。
サ｢あっ…と、やっちまった｣
焦がした肉を慌てて皿に移し、カウンターで項垂れるエースの前に出すサッチ。おい、そんなもん出せばいくらエースだって怒るはず…
エ｢…おお、ありがとよ｣
これまたぼーっとしたエースが皿を受け取り、こんがり丸焦げの肉を美味くも不味くもなさそうに頬張る。
イ｢おい、エース！変なもん食ってんじゃねえ！｣
こんな時に目ざとく叱る長男が今日はやたらと静かだ。今は昼時。いつもならマルコも食堂にいるはず…。辺りを見回すと、カウンターの端で静かに新聞を読む背中が見えた。
イ｢何だ、いるじゃねえか…おい、随分静かだなマル、コ…｣
背中からヤツの顔を伺う。難しそうな顔をして紙面を見つめるのはいつも通りだが、手の中の新聞は文字が逆立ちしている。
イ｢…おい、マルコ…そりゃ何の冗談だい？｣
逆さまの新聞を指さすとようやくはっとした表情を浮かべやがる。
おい、おい、何だ、このザマは。
イ｢お前ら…どいつもこいつも腑抜けてんじゃねえ！｣
Aとラグナが船を下りて早5日。日を追う事にこいつらの腑抜け具合は増していく一方だった。
マルコやサッチは随分とAに肩入れしていた。無理もない。急にそんな大切な妹分がいなくなった現実を受け止めきれていないのだろう。
イ｢…しっかし、マルコ達だけじゃなくどうしてエースまで落ち込んでんだ？Aとは格段親しいって訳でもなかったろう？｣
同じく隣で3人の項垂れ具合に呆れていたビスタに確認する。
ビ｢ああ、それが、食事をかけて競い合っていたラグナがいなくなって張り合いが無いんだと。襲ってくる敵船も手応えが無くて退屈なんだそうだ｣
天下の白ひげ海賊団隊長陣が聞いて呆れる。こんな姿、親父に見せる訳にはいかねえ。当の親父も、Aがいなくなったことで酒の仕入れ係に満足いかないのか機嫌が悪そうだ。
Aとラグナをこの船から下ろす、という采配がここまでこの船の秩序を乱すとは誰も思わなかった。女は難儀だと言っていた自分を悔やむ。
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がまお(プロフ) - ちルチルさん» ありがとうございます！！過去編もうちょっとだけ続くと思われます！これからもどうぞお付き合い頂ければ嬉しいです！！ (2019年5月13日 23時) (
レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
ちルチル - ついに過去編来ましたか！過去の夢主ちゃん可愛いですね〜(´ω`)これからも応援してますからどうぞ更新頑張って下さい！ (2019年5月13日 15時) (レス) id: d78596acdf (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - 焔さん» わあ！ありがとうございます！とっても嬉しいお言葉…！感無量です！ファンだなんておこがましすぎますが頑張らせていただきます！これからもどうぞお付き合いください！ (2019年4月19日 22時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
焔(プロフ) - がまお様 Twitterの通知からこちらに来させて頂きました。とてもお話が面白く読みやすく没頭してしまい一気に読ませていただきました。ファンになりました、応援さてください！続きも楽しみにしております。 (2019年4月19日 2時) (レス) id: 05617d7299 (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - シャノワールさん» ありきたり展開で申し訳無いです…（;∀;）少しでも面白いと思って頂けるように頑張ります！！これからもどうぞ暖かい目で見ていただければと思います！ (2019年3月29日 1時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がまお | 作成日時：2019年3月15日 15時
