営むこと ページ11
(side You)
ひとしきり笑い合った私達は姉妹みたいに語り合った。昔の事。楽しかった事、辛かった事。モビーでの思い出やクルーたちの愚痴なんかまで、リンゴ1つをゆっくり食べながら。
形としては、大好きだった場所をお互いが奪ってしまったようなものだったが、そんな事を忘れてしまうぐらいに楽しかった。
ラ｢いっぱい笑ったらお腹すいちゃった！ねえ、何か食べない？｣
ご機嫌なラグナちゃんがベンチから立ち上がる。確かにそろそろ昼時だ。意識すれば余計にお腹の虫が鳴り出しそうになる。
『そうですね。一度宿に荷物を置いて、街で何か食べましょう』
ラ｢それもそうね！こんなに大荷物じゃ入るものも入らないわ！｣
まだ若く愛らしいラグナちゃん。ナースさん方のお下がりや若いクルー達からのプレゼントで大荷物だ。
1人では抱えきれそうもない荷物を手分けして運ぶ。宿は港の近くで、この島の町長に住む家を手配してもらう数日の間は宿で過ごす事になっているのだ。重たい荷物を抱えながらラグナちゃんの隣を歩く。
ラ｢私も何か手に職を持たなきゃなあ。このままじゃ食いっぱぐれちゃう…Aさんはこの島でどうするつもりなの？｣
『私は、どこかバーか酒屋さんで働かせて貰おうかと』
ラ｢いいなあ…私、ケンカしかできないよ！｣
ぷっくりと頬を膨らませて悩む愛らしい彼女には、仕事なんか嫌ってほど降ってくるんじゃないだろうか。
女ってのは難儀なものだ。イゾウ隊長が言っていた事を思い出す。
女だから、女なのに、女でも。この時代で女がする事に対して理由が求められるのは無理もない話だ。生きるか死ぬかのこの時代ではごく一般的で論理的なものなのだ。
だからこそ、この若さと手腕でこの時代を生き抜けるだけの実力を持ったラグナちゃんは、私には輝いて見える。これからを生き抜くのは彼女のような人だ。
そんな彼女が道の先に目的の宿屋を見つける。
ラ｢Aさん！あれ！あそこじゃない？｣
そう言って彼女が嬉しそうに指を指す先に走っていく。慌てて荷物を抱え直してついて行く。大きくは無いが綺麗に掃除がされた宿屋さん。手配がされていたのか、店主が私達を見つけて手を振っていた。
この島ではとても穏やかな時間が流れていて、ここでの生活をゆっくりと考えても眉をひそめられることも無さそうだ。
明日への、これからの期待を込めて宿屋へと歩く。
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がまお(プロフ) - ちルチルさん» ありがとうございます！！過去編もうちょっとだけ続くと思われます！これからもどうぞお付き合い頂ければ嬉しいです！！ (2019年5月13日 23時) (
レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
ちルチル - ついに過去編来ましたか！過去の夢主ちゃん可愛いですね〜(´ω`)これからも応援してますからどうぞ更新頑張って下さい！ (2019年5月13日 15時) (レス) id: d78596acdf (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - 焔さん» わあ！ありがとうございます！とっても嬉しいお言葉…！感無量です！ファンだなんておこがましすぎますが頑張らせていただきます！これからもどうぞお付き合いください！ (2019年4月19日 22時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
焔(プロフ) - がまお様 Twitterの通知からこちらに来させて頂きました。とてもお話が面白く読みやすく没頭してしまい一気に読ませていただきました。ファンになりました、応援さてください！続きも楽しみにしております。 (2019年4月19日 2時) (レス) id: 05617d7299 (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - シャノワールさん» ありきたり展開で申し訳無いです…（;∀;）少しでも面白いと思って頂けるように頑張ります！！これからもどうぞ暖かい目で見ていただければと思います！ (2019年3月29日 1時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がまお | 作成日時：2019年3月15日 15時
