Drunken Whale (ページ24)

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赤髪の男2 ページ24

(side You)

『ほ、本当ですか！ありがとうございますっ！』

助かった。かなり気のいい人らしい。ほっと胸をなで下ろす。ラム酒もなんとか無事みたいだ。気をつけて早く帰ろう。

もう一度深く頭を下げて｢すみませんでした｣と謝り、樽を取りに行こうとした時、突然腕を掴まれる。

男｢おいおい、タダで許すわけ無いだろ？ちょっと俺に付き合えよ｣

樽をぶつけてしまった相手がぎゅっと私の腕を掴み、不敵な笑みを浮かべる。

前言撤回。面倒な人に捕まってしまった。

『えっ、ちょっと、離してください！』

男｢こっちはあんなもんぶつけられてんだぜ？それぐらい付き合ってもいいじゃねえか｣

ぐいと引っ張られて建物の隙間、暗い細道に連れ込まれそうになる。男の力は強くどうにも振り払えそうにない。恐怖が込み上げてきた。

『お金なら払いますから！やめてください！』

男｢金なんかいらねえよ、いいからこっちへ来い！｣

もうダメだ。諦めて目を瞑ったその時、強く肩を抱かれた。

？｢まあまあ、その位にしてやってくれ｣

視界の端に赤い髪が揺れる。私の肩を抱いて細道に連れ込もうとする男を制する赤髪の男。

男｢ああん？なんだてめぇ、お前には関係ねえだろ！｣

？｢こいつは俺のツレなんだ。迷惑をかけちまったみたいで、すまねえな｣

『あのっ…』

赤髪の男は私を見てにっと愛想よく笑う。｢任せろ｣とでも言っているようで安心する。ここは何も言わない方が良さそう。

？｢すまねえな、詫びと言っちゃあなんだが、この酒を受け取ってくれ｣

そう言って赤髪の男は懐から酒瓶を1本取り出す。

『そっ、それは！』

？｢オールブルーって酒らしい。貴重だと聞いて貰ったんだが俺は酒には詳しくなくてな。これで手を打ってくれないか？｣

赤髪の男が取り出したのは最高級のスピリッツ、ウエストブルーで年間10本ほどしか作られない希少な酒でそのほとんどは天竜人に献上され、世にはほとんと出回らない。伝説のオールブルーを模して作られたその酒は、スピリッツでありながらほんのり澄んだ青色をしている。

酒を嗜む者なら1度は飲んでみたい逸品。1本数百万ベリーはくだらない。まさかこんなところでお目にかかれるなんて…

？｢こりゃあ…本当にいいのか？あんた、こいつが何なのか本当に知らないのか？｣

にわかには信じられないらしい。そりゃあそうだ。

『勿論だ、その代わりにこいつの事は水に流してやってくれ』

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