十三輪目:イキシア《秘めた恋》 ページ15
『えぇっと…お二人とも、
何だか仲があまり良くないような気がするのですが…』
乱「まあそうかもねー」
中「ンなことより…なんで手前が居るんだよ!」
乱「それはこっちの台詞なんだけどっ!」
私が思った何倍も仲が悪かったようです。
こういう時はどうすれば良いのでしょうか…
『お、お二人とも落ち着いて下さい!
それより、中原様は花の予約をしていましたよね?
すぐに用意するので、少々お待ち下さい。』
とりあえず話題を逸らせば、何とかなると昔教えられたような…?
とにかく、お花を取りに行かないと!
* * *
中「単刀直入に聞くぞ。なんで手前が此処にいる?」
乱「ん?だって僕、Aと仲良しだし。君よりもねっ!
どーせ君はAが好きなんでしょ?」
はぁ?
Aはコイツと仲が良かったのか?
あと、なんで俺がAの事が好きだって分かるんだよ!
乱「まぁ、どーせ君じゃ僕に勝てないけどねっ!」
中「手前ェ!!」
『あのぉ……』
乱・中「あ。」
『……』
嫌な予感はしていたが…
今の会話、全部聞かれてたのか?
『こ、こちらでよろしいですか?』
中「……あぁ。」
少し頬を紅くしながら花を渡してきた。
何時もみたいに目を合わせて優しく笑っていなかった。
わざと目を逸らして今は関わりたくないと訴えているようだった。
中「…んじゃ、俺はこれで。」
自分は今居ない方がいい気がして
逃げるように帰った。
* * *
『えぇっと…すみません。何が何だか、よくわかりませんね。』
Aは笑っているけど、少しぎこちなかった。
『江戸川様ごめんなさい、今はちょっと一人にしていただけませんか…?』
乱「…うん。分かった。」
僕にとっては好きって言われても平気だ。
でも、Aは恋愛なんて考えたことも無かったんだとするなら、
相手の気持ちに気付いた時に
気持ちの整理が出来ないのも当然なんだろうな。
その日の帰り道は、何時もみたいに
「またいらしてくださいねぇ」という、
あの可愛いらしい声が無かった。
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愛雫優月(あいし ゆづき)(プロフ) - 一気見しました凄く内容が良くて最高でした✨更新待ってます.ᐟ.ᐟ (3月28日 4時) (レス) @page14 id: b0983097f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すばり x他1人 | 作成日時:2023年12月15日 0時