休日なのに ページ9
ーーーーA視点ーーーー
久しぶりの休日
何をしようかと少し考えていたらインターホンがなった。
｢はーい、って……｣
｢やあA！！｣
｢……｣
ﾊﾞﾀﾘ
扉を閉めた。
よし。
もう一度開いてみよう。
私が幻覚を見ているのかもしれないわ。
ｶﾞﾁｬ
残念なことに目の前には大嫌いなやつがいた。
｢……これは夢かしら？｣
｢現実だよっ！｣
朝一番に見る顔がコイツだなんて最悪な気分だわ。
｢何か用？｣
｢デートしよ！｣
｢さよなら。｣
｢ちょっと！！｣
五月蝿い
本当によく懲りないわね。
｢お邪魔しまーす｣
｢はぁ…｣
正直止めるような気力も無く、其の儘上げる事にした。
｢はい！アイス珈琲！｣
色、匂い、重さ、どれも異常無い事を確認してから飲んだ。
この馬鹿のことだから薬や酒を入れかねない。
｢貴方、仕事は？｣
｢Aが居ないのに耐えられなくて仕事を敦くんに押し付けてきた｣
ごめんね、敦くん
こんな馬鹿のせいで。
今度ご飯でも奢ってあげよう
｢ねえA｣
｢何｣
｢何時になったら私に振り向いてくれるのだい？｣
｢一生振り向かない｣
今日も今日とてどうでもいい事を質問される。
おそらく治は私の全てを知り尽くしているのだろう。
ただ一点を除いて。
そのことに気がついたら治はどんな反応をするのかしら。
何時も通りかしら
それとも、
私を嫌いになるかしら。
何で私はこんなことを考えるのかしら。
必要無いじゃない。
でも、
心の何処かで彼が居ることに対する安心感があった。
｢今日は何処に行こうかなぁ〜｣
｢何処にも行かない。｣
このままでいい。
一生このままで
そうしたらもうきっと
私みたいに傷つく人は減る筈だから。
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作者名：すばり x他1人 | 作成日時：2023年10月20日 1時
