各自の仕事 ページ22
上から聞こえたヘリの音はどうやら組合の連中だったらしい。
先手を打たれたのは痛いわね…
すると奥から国木田さんが此方へやってきた。
「どうですか?」
「おそらく、連中の目的は異能開業許可証だ。」
「やはりそうか…」
珍しく真剣に治は話を聞いていた。
「お客様のお帰りでーす。」
ナオミちゃんの声が聞こえる
「はーい、お送りしまーす」
賢治くんは組合の三人を連れて
翌朝
「おい、朝刊を見たか?」
「ニュースでもやっているよ。」
テレビに映し出されている映像には
ビル街の一画がコンクリートの基礎のみになっている様子だった。
どうやらこの建物にはポートマフィア関係者の事務所もあったらしい。
「……間違いなく組合の言っていた“メッセージ“ね。」
「彼らを送っていた賢治くんもやはり寮には居ませんでした……」
「逆らう探偵社も
用済みのポートマフィアもすべて消す、か。」
組合……
何を考えているのかしら。
異能開業許可証が目的のようだけれど、
北米の組織が手を出して良いような代物じゃない。
「A!」
「!!」
しまった
少し考えていたせいで国木田さんの声を聞くのを忘れていた。
「な、なんでしょう。」
「お前は通常勤務で良い。
他の社員は各自仕事があって依頼をこなせないからな。」
「かしこましました。」
正直自分は何も出来ないような気もするけれど、これも大切な仕事。
ちゃんとしなきゃね。
「うぅ〜Aの側でAを眺めることが出来ないだなんて……」
「仕事しなさい。」
そう言って治の頭を軽く叩くと渋々仕事に戻っていった。
「さてと、私も仕事しないと……」
お気に入りのアイス珈琲を飲みながら私は再び仕事を再開した。
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作者名:すばり x他1人 | 作成日時:2023年10月20日 1時