やかましい唐変木 ページ3
ーーーー引き続き敦視点ーーーー
「あら、孤児院出なんですね」
「はい。
太宰さんに拾われて無かったらどうなっていたことやら…」
氷乃さんと僕は初対面だということで
少し自己紹介をしていた。
「敦さん」
「は、はい」
急にピンと張り詰めた空気になったような…
「あの阿保に何かされてないですか?大丈夫?」
「……へ?」
予想外の事を聞かれて間抜けな声が出てしまった。
「もうっ失礼だな。何もしてないよ!」
何時の間にか太宰さんが氷乃さんを後ろから抱きしめていた
…ん?抱きしめていた?
「わぁーい!一ヶ月ぶりのAだーっ!」
「もう来たの?暑苦しいから離れて頂戴。」
「えぇ〜」
「えーっと……」
僕は今凄く困惑している。
自分の命の恩人でもある先輩が女性に甘えているからだ。
ドンッ
「痛っ!」
「邪魔。」
「おやおや、今日も仲良しだねェ」
太宰さんを背負い投げをする氷乃さん
それを面白そうに見ている与謝野さん
当たり前のように仕事をする他一同
何だこの空間は…!?
「太宰!貴様何処に居た!
Aがいないとまともに出社も出来ないのか!」
国木田さんが居なかったら恐らくこの場は収まらなかっただろう。
「これは日常茶飯事だから、大丈夫だよ敦くん」
谷崎さんが説明してくれた。
ひょっとして僕は
とんでもない所に就職してしまったのでは……!?
「早く起きなさい治。仕事するわよ。」
「も〜まあそんな素直じゃない所も好きだよ。」
「そんなこと言っても無駄」
「ちぇ」
本当に大丈夫かな…
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作者名:すばり x他1人 | 作成日時:2023年10月20日 1時