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玄関で靴も脱がずに抱き締められてたから、とりあえず上がろうとジミンの部屋に入った。
座ろうとすると後ろから腕を引かれてねぇ、と低い声でテヒョンに呼び掛けられる。
「なに？」
TH「…その服、」
「これ？あぁジミンの。飲んでてそのまま寝たから気持ち悪くてお風呂借りたの」
TH「…着替えてきて」
「え？めんどくさいしいいじゃん。あ、でも外食は無理だからお昼ご飯デリバリーでもいい？」
TH「そうじゃなくて！Aからジミンの匂いするの嫌だし、そもそも他の男の服着ないでよ」
テヒョンはすっごく不機嫌そうな顔で、でも悲しそうな目で見下ろしてくる。
オッパとかジミンの服着ることなんてよくあることだし誰かに何か言われたことなかったけど、テヒョンを見ると悪いことした気分になる。
そうやって気にする辺り、やっぱり私テヒョンのこと好きなんだなぁ。
そう思うと急に照れ臭くなって俯く。
テヒョンは掴んだ腕で引き寄せもう片方の手を腰に添えて服をぎゅっと握りしめた。
TH「着替えてくれないなら今ここで脱がしていい？」
「…なんでそうなる」
TH「だって本当にやだ。」
「っ！」
そう言ってぐっと服を掴む腕に力を入れて本当に捲りあげようとするから、慌てて腕を掴んだ。
「ちょ、着替えてくるから離して、！」
TH「えー俺は脱がしてもいいよ？」
「ダメに決まってるでしょ！」
TH「…まぁ着替えてくれるならいいか」
力を抜いて服から手を離してくれてほっとした瞬間、額にちゅ、とテヒョンの唇が触れた。
「…っ、やー」
TH「ひひ、好きだよA。それからおはよう。」
「……もう…き、着替えてくる」
いってらっしゃーい早く戻ってきてねーと既にご機嫌に戻ったテヒョンの声を背中に、急いで自分の家に帰った。
顔が熱い。額はもっと熱い。テヒョンの唇の感覚が残ってる感じがする。爆発しそう…
好きだよって毎日電話とかカトクでは言われてたけど、直接、しかもあんな蕩けるような笑顔で言うなんてずるい。
「私も好き…」
独りで小さく呟いてみたら、恥ずかしくて死にそうになった。
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作者名：すゆ
| 作成日時：2021年8月9日 20時
