我らが愛され女３

精一杯 ページ24

９月。

なんとなく予想はついていた。
ただ、その話を誰からも聞いていないことに驚いた。

今日は撮影も何もないから、少年たちの裏方に徹するため劇場に向かった。



「おはようございまーす！」



少し怯んでるけど、いつもの岩橋Aのまま行く。

わたしが出ないことなんかずっと分かってるし、出ないことに関しては何も思わない。
ただ聞かされていなかったのが悔しいというか…今回は舞台裏にいなくてもいいのかな、なんて思う。



慎「A」

「慎ちゃんおはよ」

慎「ごめん言ってなくて」



この人はすぐに気づく。



「…何が？」

慎「その…舞台の話。誰も言ってなかったと思うから」

「わたしもびっくりしたよ。ファンの人と同じタイミングで知ったんだもん」

慎「ほんとに言わなくてごめん」

「言えなかったんだよね？止められてたんでしょ、言うなって」



何人かそういう大人がいる。
わたしが出ないものは情報が発表するまで言うなって指示してたり。



慎「言えばよかったって思ってる…あとこれは完全に俺のワガママになるけど…」

「ん？」

慎「舞台やってる間…袖から見ててくんないかな」

「…うん、いいよ」

慎「まじで？いいの？」

「何を今更(笑)いつもいるじゃん」



結局わたしも単純だから、頼まれたら素直に受け止めちゃうんだ。

みんなで良いもの作り上げていこうね。



「期間中仕事入れないでもらおうかな〜」

慎「まじ！？」

「うーん、うん」


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初日おめでとうございます∠( ˙-˙ )／

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