かつてのライバル【橙】 ページ5
「久しぶりー!!じゃあ…かんぱーい!!!」
高校の同窓会。久しぶりに会う友達と話が弾む。
「なぁなぁジェル。お前ネットで仕事しとるんやろ?この間動画見たんやけどほんまおもろかったわー」
「まじ?ありがとう!お互い仕事がんばろーなぁ!」
そんな会話をしながらも目が勝手にある人を探していることに気づき苦笑いする。
「なぁ、今日ってA来とるん?」
「さあ?俺は覚えてへんわ。おい、今日Aって来るん?」
友達が幹事に聞きに行ってくれた。幹事は首を縦に振って言った。
「ちょっと遅れてくるらしいで」
「だってよジェル。なんや、あんま会いたくなさそうな顔しとるやんか」
「だって…気まずいやんか」
高校の時成績でずっと張り合ってたんやで?
そんな言葉は飲み込む。
『ごめーん、遅れたわ〜』
「おお、A!久しぶりやなぁ!」
噂をすると影というけど本当なのかもしれない。
ちょうどAが到着したんだから。
『久しぶりー!!あ…ジェル…』
「おん…最近どんな…?」
『最近は…まあ順調かな…』
気まずい。本当に気まずい。
隣でニヤニヤしてる友達を殴ってやりたい。
それにしても…
「本当にAなんか?高校の時と全然ちゃうくない?」
「よな。なんか変わっとるわ」
俺だけじゃなくてコイツも変わった事がわかったらしい。
「かわいくなっとる」
いや、綺麗になっとるかも。
高校の時からかわいい子だったけど綺麗な子になっとる。
「なんやお前高校の時のライバルに恋したんか!?」
「…そうかも」
ずっとAの事見とるし。
「今日えらい素直やなぁ」
「事実やし」
Aは俺と勉強で勝負していた事、こと覚えているだろうか。
「まあ後で二次会誘ってこい。お前と2人っきりのな」
「ふざけんな、誘えるわけないやろ」
けど話しかけてみるのはアリかもな、なんて。
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作者名:ゆぴ | 作成日時:2023年10月17日 16時