塩対応彼女【黄】 ページ3
「ねえねえ、今日の放課後最近できたクレープのお店行きませんか?」
『んー…友達と遊びたいけど今日は部活もないし良いよ』
授業が終わりまだ椅子に座っている彼女のAを放課後デートに誘うといつも通りの塩対応。
彼氏より友達を優先しようとするなんて本当に付き合っているか確認したくなる。
「本当に僕たち付き合ってるんですよね?」
『まあ私がるぅとからの告白をオッケーしたから付き合ってんじゃない?』
悲しくなるくらい塩対応…もうアイドルとオタクの距離感より遠いと思いますよ?
「僕のこと好きなんじゃないんだったら別れても良いんですよ?」
ふと口から本音が溢れた。Aのことが大好きだから無理はさせたくないんだ。
『は?なに、あんた私以外に好きな女できたの?』
「ちが、そういうわけじゃなくて!僕の事を好きじゃないんだったら無理しなくて良いってことです!」
Aに低い声で責めるように言われて思っていた事を言ってしまった。
『無理なんかしてるわけないじゃん。私が無理やり人に合わせるような性格じゃないの知ってんでしょ』
「いやっ、知ってるんですけどAって優しいから…我慢してるんじゃないかなって…」
『優しくなんかないよ。それに我慢してまで一緒にいたいって思う相手は1人しかいないから心配すんなバカ』
そう言ってAは顔を下に向けた。
けど結んだ髪が横に流れて見えた首筋はほのかに赤かった。
「え…それって…」
『恥ずかしいから何も言わないで…!!しばらく黙って…!!』
机に手を当てしゃがみ込んでAの顔をしゃがみ込んで覗き込んでみるとAは真っ赤だった。
『ちょっ、今の私の顔みんな!』
「かわいいですよー?」
『黙れ!!』
Aが僕の事を好きだと分かって安心したから席に戻ることにした。
これだけ言って。
「Aは塩対応なんじゃなくてツンデレなんですね?」
と。
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作者名:ゆぴ | 作成日時:2023年10月17日 16時