距離 ページ23
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あれから僕達は、距離が縮まる事もなく、一定の距離を保ちながら進んでいた。
近づいたかと思うと、ふっと離れる距離、この距離感がもどかしく感じる時もあるけれど、ヌナの事が好きなのかと聞かれるとわからなくなる。
ヌナに会いたいと思う気持ちも嘘じゃなくて気になる存在だけど、それはヌナにたいするただの憧れなのか、女性として好きなのか…。
付き合った事がないわけじゃないけど、早くからこの仕事をしていると長続きしない事の方が多くて、本当に付き合った事があるのかと問われると、それも疑わしい返事しかできない。
だから、自分のホントの気持ちもどこにあるのかはっきりしない。
MH「ヌナは好きな人はいないんですか?」
A「私? んーーー、好きかどうかはまだわかんないけど、気になる人はいるかなー。」
ヌナはコーヒーも好きらしく、今日は2人でカフェに来ている。
仕事帰りのヌナはスーツを着ていて、いつものラフな格好とは少し違う感じだ。
A「どうしたの? なんで??」
MH「その気になる人とは親しいんですか?」
A「そうだね。ご飯べたに行ったり、お酒飲んだり。
こうやって一緒にコーヒー飲んだり(笑)」
MH「そうなんですね。」
そうだ…。
親しくしている人なんて、たくさんいる。
ヌナは一般人で普通に仕事もしているし、会社の同僚だっているんだから。
そう、友達は僕だけじゃない…。
なんだか、そう考えると少し寂しくなった。
A「どうしたのミニョニ? 急に黙り込んで。」
MH「いえ、何でもないです。ちょっと考え事してました(笑)」
僕だって女友達はいるし、一緒にご飯を食べに行く女の子だっている。
だけど、こういう話をする時に一番感じるヌナとの距離…。
そんな事をぼんやりと考えていると、ヌナの携帯がなった。
ヌナは「ごめんね」と言って電話に出る。
A「はい。ジェフナどうしたの? 明日?
うん、多分定時で上がれると思うよー。」
ヌナの携帯にかけてきた相手は男性のようだ。
時々、聞く名前だからわかる。
A「うん、じゃー明日。いつものトコでー。」
そういうと電話をきって、僕の方をみた。
A「ミニョナ、ごめんね。」
MH「大丈夫です。友達ですか?」
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ななし(プロフ) - YES。さん>コメントありがとうございます。If you はどうしても書きたくなったで、歌詞を少し借りて私が思った事を書いてみました。ネタが尽きてきましたがボチボチ書いて行くので、時々のぞいてください。 (2017年8月31日 21時) (レス) id: 822c5f20d0 (このIDを非表示/違反報告)
YES。(プロフ) - 最後の If you すごく泣けました・・・。 この小説すごく好きです!頑張ってください! (2017年8月31日 17時) (レス) id: 372597b041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななし | 作成日時:2017年7月9日 23時