友達の友達は友達なのか(青)

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渡「眼鏡あんじゃん、……いるよね？ここにいんの？」






ベッドが仕切られているカーテンに手が掛かる姿が透けて見えて、思わず大きな声が出る。





『あ！……ぁ、開けないで、ください…』

渡「びっ！びったぁ………いるなら返事してよ」

『………すみません…』

渡「ここ開けちゃダメなの」

『…………はい』

渡「なんで？」

『……………………………ぃ、言えないです…』





こんな姿、見られたくない。





渡「まぁ、言いたくないならいいんだけど」

『本当…すみません……』

渡「おしゃべり的なのも無理？」

『ぇ…それは、どういう意味で……』

渡「喋れるなら少し喋りたいなって」





掴み所がわからなくて、本当に渡辺翔太は苦手な人種だ。





渡「痛くて喋れないならあきらめるけど」

『……………痛いは、痛いです…けど、少しだけ、なら……』

渡「お、じゃあなに話す？」

『え。おしゃべりしたいって言ったのそっち…』

渡「おい、聞こえてんぞ」

『いやっ悪い意味とか、文句じゃなくてっ…』

渡「わかってるわかってる。ジョークです」





がはっと笑い声が聞こえた。

顔こそ全く見えてないのにその笑い顔が想像できて私も少しニヤけてしまう。





渡「眼鏡さ、今してないんだよね」

『…はい。レンズが割れちゃったんで……』

渡「どんぐらい悪いの？これ見えるー？」





カーテンの隙間から何かがフリフリと揺れている。





『………………全く見えないです』

渡「え！まじ？！正解はミネラルウォーターでしたー」





と、急に開かれるカーテン。


おでこには大きな絆創膏。鼻には脱脂綿が詰められたこんな顔。

泣いて泣いて泣きまくって、より不細工になった惨めな姿。

そんな姿を渡辺翔太にだけは見られたくない。


って。


私は、なんで渡辺翔太にだけは見られたくないんだろう。









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