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携帯を触りながらお風呂から出てくるのを待った。
大して仲良くもない友達と今でもSNSは繋がっている。
26にもなれば結婚ブームだし子どもがいる子もチラホラ。
…自分にはまだまだ縁のない話。
はぁ、っと心の中で溜め息をついて携帯を閉じた。
付けっぱなしのテレビはいつの間にか心霊番組へと変わっていた。
あんまり怖くないし、幽霊は信じないタイプ。
他に面白そうなテレビもないしぼーっと眺めていた。
こういうの怖いと思えないし自分はどうして可愛げがないんだろう。
微かな石鹸の香りが漂う中、急に電気がバチンと消えた。
『も〜五条さんでしょ、』
「バレた?」
『この家には2人しかいないんですよ、バレバレです。』
電気がつけられて五条さんの姿が目に入る。
『もう!なんで服着てないんですか!』
「Aが面白そうなテレビ観てるからいじめようと思って着て来るの忘れた。」
『そんな事で忘れないでください!』
パジャマ片手にパンツ一丁で私の隣に座った。
心霊よりその姿で近寄って来られるようがよっぽど怖い。
「何見てんの〜えっち。」
『じゃあ服着て下さい。』
持っていたパジャマを奪って頭から被せた。
「雑過ぎない??」
『なんで丁寧にしてもらえると思ったんですか??』
暑いだの文句を言いながらパジャマに袖を通してくれて、下もちゃんと履いてくれた。
「Aこういうの怖くないんだね。」
『目に見えないから嘘っぽく思えるというか……』
「呪霊や呪術師の事も嘘っぽい?」
『それは五条さんが真剣に話してるから信じてますよ。』
大変な命懸けの仕事って事も理解はしてる。
実際に呪霊って奴にこの部屋に飛ばされて来たのも事実だし。
「傑の事は名前で呼んでたのに僕も名前で呼んでほしいな〜」
『えぇ…唐突……傑さんの苗字知らないだけなんですけど……』
「あと敬語も無しにしよう。次からミスったらご飯抜きね。」
『それは無理!』
依存してる。五条さん…じゃなくて悟さんの作ってくれるご飯に。
家に帰ってそれがあるだけでテンションぶち上がるぐらいに美味しいんだから。絶対にミスらないぞ……
気がつけば心霊番組も終わっていた。
「僕はもう寝るけどAは?」
『寝ようかな、おやすみ悟さん。』
「なんかいいね。おやすみA。」
何がいいのかはわかんないけど。
おやすみ、また明日も仕事だ。
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くまこ(プロフ) - ルイさん» 500票目!一気読みお疲れ様でした!本当にありがとうございます✨ (2022年1月31日 19時) (レス) id: 906efc68a2 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 500票目失礼します!書き方もストーリーも好みで一気に最後まで読んでしまいました…!素敵な作品をありがとうございます! (2022年1月31日 1時) (レス) @page37 id: dd88096f0d (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - ひなりさん» 最後まで読んで頂きありがとうございます!やっぱりトリップして来てほしいですよね…同感です笑 コメント頂いたので必ず番外編も書きたいと思います!ありがとうございました☺️ (2021年11月26日 13時) (レス) id: 73baee915b (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - むぅさん» 最後まで読んで頂きありがとうございます!続編も考えたのですが終わりどころ見つけられず諦めてしまいました💦番外編!期待されたら書くしか無いですね!しばらくお待ちください!必ず書きます!ありがとうございました☺️ (2021年11月26日 13時) (レス) @page30 id: 73baee915b (このIDを非表示/違反報告)
ひなり(プロフ) - 完結おめでとうございます!私の家にも五条先生がトリップしてきたらいいのに……と思いながら楽しませていただきました笑もしお時間あるときがありましたら、番外編を書いてくださると嬉しいです!!本当に面白かったです!これからも作品楽しみにしています! (2021年11月26日 7時) (レス) @page30 id: 51dad2d676 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くまこ | 作成日時:2021年10月9日 19時