この世界に ページ27
『キラキラ輝く星を見てたら、思い出しちゃった(笑)』
昔を懐かしむかのように、彼女は話す。
和也「そのボタン、今でも持ってるの？」
『実家のどこかにあるんじゃないかな』
和也「実家には帰ってんの？」
『…もう、しばらく帰ってない。あのことがあってからは…』
和也「…そうですか」
彼女の過去は、彼女の心に大きな傷を残した。
『連絡は取ってるよ。心配されたり、心配したり…(笑)』
彼女はさっき星を見ていたときの笑顔とは違う笑い方をして、コーヒーを啜った。
和也「よし、外に出てみますか」
俺は立ち上がってコートを羽織る。
『えっ、待って』
彼女は慌ててコーヒーを飲み干し、立ち上がる。
外に出て、カフェから少し離れた場所まで歩いて空を見上げる。
夜空には数えきれないほどの星が煌めいていた。
すごい、と彼女は俺の隣に立って言う。
その横顔は、とても綺麗で。
『でも、寒いね(笑)』
寒そうに震える彼女の手を握る。
和也「これでどう？」
『あったかい(笑)』
ねぇ。
もしもこの世界に誰もいなかったとしたら、俺たちはずっと一緒にいられるだろうか。
Aのために本当の気持ちを伝えられなかった翔さんも、
ストレートに愛情表現をする潤くんも、
Aを残して去っていった恋人も、
すべて忘れて、俺たちがこの美しい世界に2人だけでいるなら…
俺と一緒に、ずっとこの先も笑顔でいてくれるだろうか。
繋いだ手を、離さないでいられるだろうか。
そんな妄想をして、我に返って虚しくなって、俺は言う。
和也「そろそろ宿に向かいますか」
『うん(笑)』
俺は彼女の手を離さずに歩き出した。
彼女は何も言わなかった。
この温もりがどうか冷めないでと、また心の中で呟いた。
ーーーーー
更新が少なくて申し訳ありません…；
最近ほんとに忙しすぎて…；
これからもどうか見捨てずにお付き合いください…！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 739人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
檸檬 - お気持ちの回復本当に良かったですT^T 小説の続きを書いていただき本当に嬉しい限りです！ これからも頑張ってくださいね！ずっと応援し続けています♪ (2019年11月30日 20時) (
レス) id: 93e7b62bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ayane(プロフ) - 檸檬さん» ありがとうございます(；；)本調子とはいきませんが回復しました！ (2019年11月27日 16時) (レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 複雑な気持ちの中、わざわざお返事ありがとうございます。私は、いつまでも待ち続けていますので、気持ちが落ち着くまで、ゆっくり休んでくださいね。 こちらこそ、これからも仲良くしてくださいね。 お気持ちの回復、願っております…。 (2019年11月17日 19時) (レス) id: 93e7b62bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ayane(プロフ) - sakuninoさん» ありがとうございます。なるべく早く戻ってきますね。 (2019年11月17日 10時) (レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
ayane(プロフ) - のりこさん» ありがとうございます。のりこさんのお言葉、とても嬉しいです。前向きに書けるようになったときはまたよろしくお願い致します。 (2019年11月17日 10時) (レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ayane
| 作成日時：2019年10月19日 9時
