愛 ページ43
この真っ白な空間に、俺と、彼女と、餓者髑髏。
その中にポツン、とある日本家屋の中に入る。
和也「この組み合わせ、不思議ですね(笑)」
『あなたは今までどこに行ってたんですか？』
和也「まあ、ちょっとした旅行を(笑)」
『…咲さんの墓参りにでも行きましたか』
驚いた。
咲のことを知っているだなんて。
和也「…まあね(笑)」
『…どうしてですか』
和也「何も言わずに出ていったのは謝ります」
『あなたが私たちの前から、いや、この餓者髑髏と一緒にこの世からいなくなるつもりだからですよね！？』
和也「そう思ったからついて来たの？」
彼女は頷く。
和也「確かに、そのつもりですよ」
『…！』
和也「俺の死のエネルギーを利用して、餓者髑髏を完全に消滅させる」
『そんなのダメです！封印をすれば元通りになります！』
和也「…それじゃダメ。あなたが、自由にならないと」
『自由…？』
和也「結界師は長い間、餓者髑髏を封印したこの嵐ノ森を守るために、縛り付けられてきた。もうそれから解放されるべきだ」
『自由じゃなくたっていい。あなたがいれば…』
僕が首を振る。
『どうして…！』
和也「あなたには、"守るべき人"がたくさんいる」
彼女が涙を流す。
『それでもあなたは行かないで…っ』
和也「…俺はもう長くない」
『長くないって…』
和也「そろそろ寿命かな。一度死んで無理やり戻ってきたんです。短いことはわかってた。そしてもう二度と戻れないことも」
『そんな…っ』
和也「それに、俺はあなたに愛される資格はない。俺はあなたを…咲と重ね合わせて愛していただけなんです」
『それでも私は幸せでした…っ』
ポロポロと涙を流す彼女。
俺の胸が鈍く、しかし確実に痛む。
ああ俺は、本当に彼女を愛してしまっていたんだ。
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ayane(プロフ) - まっきぃさん» 初めてのコメントありがとうございます！最後まで読んでいただいて感謝です(；；)次回作もよろしくお願いします！ (2019年8月21日 20時) (
レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
まっきぃ(プロフ) - 完結おめでとうございます！コメントは初めてかな。妖狐の二宮さんにどハマりしてしまい、ずっと読んでました(^O^)結末は悲しかったけど、主人公がずっと笑顔で入れて良かったと思ってます。次回作も読みますね！！ (2019年8月21日 20時) (レス) id: cc514bee80 (このIDを非表示/違反報告)
ayane(プロフ) - 香織さん» 頑張ります！ (2019年8月14日 20時) (レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
香織 - 更新頑張ってください (2019年8月14日 8時) (レス) id: 482ce168b0 (このIDを非表示/違反報告)
香織 - ↓出血多量も含まれます (2019年8月13日 21時) (レス) id: 482ce168b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayane
| 作成日時：2019年8月9日 20時
