約束 ページ32
彼女の体温が背中に感じる。
愛おしくてたまらない。
和也「それが妖でも？」
咲「ええ。あなたがいいんです(笑)」
和也「嬉しいです(笑)」
それからというもの、僕は彼女と小さな小屋で暮らすようになった。
内職をしながら、それなりに楽しい日々が続いたある日。
結界師と滅却師の争いは激化し、結界師の武力に滅却師は敗れた。
彼女の家も結界師に焼かれ、彼女はひどく落ち込んだ。
和也「どこかで身を隠しているかもしれない」
咲「…そう信じるわ」
結界師の力は絶大だった。
人々を襲い、苦しめてきた餓者髑髏を封印し、将軍に仕えるようになった。
俺だって、結界師に見つかれば生きて帰れるかわからない。
俺は彼女の震える肩をそっと抱いた。
・
・
・
・
何年か経ったある日。
傘張りの仕事を終えたあと、彼女が血を吐いて倒れた。
医者を呼ぼうとした俺を彼女は止めた。
彼女は日を追うごとに、体調を崩していった。
それでも、彼女は笑顔を絶やさなかった。
しかし…
咲「和也…さん」
和也「咲っ」
咲「私が死んだら…餓者髑髏の封印の地に桜を植えてほしいんです…」
和也「わかった。そうします」
咲「ありがとう…(笑)」
俺は彼女の手を取った。
和也「俺は、君の分まで何十年、何百年と生きてみせる。あなたが見ることのできない景色を俺が見ますよ」
咲「お願い、します…(笑)」
和也「約束しますから…っ」
涙が溢れそうになる。
咲「あなたに出会えて、良かった…(笑)」
和也「俺も…っ愛してる…」
咲「私…も…(笑)」
彼女は一筋の涙を流しながら目を閉じた。
和也「…咲？」
彼女の返事はない。
彼女は最期まで笑っていた。
和也「咲…っ」
しばらくの間、彼女の手を握ったまま泣いた。
そして、封印の地に桜を植えた。
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ayane(プロフ) - まっきぃさん» 初めてのコメントありがとうございます！最後まで読んでいただいて感謝です(；；)次回作もよろしくお願いします！ (2019年8月21日 20時) (
レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
まっきぃ(プロフ) - 完結おめでとうございます！コメントは初めてかな。妖狐の二宮さんにどハマりしてしまい、ずっと読んでました(^O^)結末は悲しかったけど、主人公がずっと笑顔で入れて良かったと思ってます。次回作も読みますね！！ (2019年8月21日 20時) (レス) id: cc514bee80 (このIDを非表示/違反報告)
ayane(プロフ) - 香織さん» 頑張ります！ (2019年8月14日 20時) (レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
香織 - 更新頑張ってください (2019年8月14日 8時) (レス) id: 482ce168b0 (このIDを非表示/違反報告)
香織 - ↓出血多量も含まれます (2019年8月13日 21時) (レス) id: 482ce168b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayane
| 作成日時：2019年8月9日 20時
