天使が羽根を休める場所。３【ars】

本当の気持ち ページ25

雅紀「もー、戻ってきてほしいってはっきり言いなよ(笑)」


和也「うっ、うるせえなっ////」


二宮さんは赤くなる。


翔「俺たちみんな、Aちゃんに戻ってきてほしいんだよ(笑)」


皆さんが…私に…？


『私…シェアハウスに戻ってもいいんですか…？』


智「だって、おいらたちの幸せは、Aちゃんがあの家にいることなんだ(笑)」


『私…が…？』


和也「お前もそろそろ本当の幸せを手にしてもいいんじゃねーの？」


『え…』


和也「行けよ。潤くんまだ店にいるだろうから」


『それって…』


雅紀「はやくはやく！(笑)」


ぐいぐいと外に出されて、トンッと背中を押された。


翔「いってらっしゃい(笑)」


4人は笑顔で手を振る。


『…いってきます！』


ダッと私は駆け出した。


智「…行っちゃったねぇ(笑)」


翔「これで俺らもめでたく失恋だね(笑)」


雅紀「ニノ！泣きたいなら俺の胸においで！(泣)」


和也「お前も泣いてんじゃねーか」


・


・


・


・


走りながら思い出すのは、松本さんに出会った日やあの花火大会の日、松本さんの姿、声、笑顔、そのすべてで。


やっと、松本さんに本当のことを言おう。


本当の気持ちを。


スマホしか持っていなかった私は走って走って、やっとたどり着いた。


"Café Jun"の扉には、"Closed"の小さな看板がかけられている。


しかし店内の明かりが漏れていた。彼は中にいる。


ガチャ…とゆっくり扉を開けて入る。


潤「すみません、今日は閉店──────────」


彼はそこにいた。

誓う→←どうしようもない

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す