寄り道 ページ17
「お待たせしました。」
「手繋ぐ？」
「え、遠慮します」
「じょーだん」
自然と一緒に帰る流れになってしまい、まぁどうせ断っても着いてくるんだろうなと隣を歩く。
先輩は私より脚が長いのに歩幅を合わせてくれる。
気になるものを見つけたときも止まって一緒に見てくれる。
最寄りのコンビニの前を通りかかったとき、初めて先輩から足を止めた。
「ちょっと待ってて、すぐ戻る」
知り合いでもいたのかな。先輩が店内へと入っていく。
自動ドアの邪魔にならないよう、角に立って空を見上げた。
一番星どこか、二、三…もっと星が出ている。
たまに飛行機なのか分かんない星あるよね。
目を細めて見ていると、軽快な音楽と共に扉が開いて先輩がビニール袋を片手に駆け寄る。
「思ったより列ついてて、一緒に呼べばよかった。」
ゴメン、とビニール袋からりんごジュースとチョコレートのお菓子を出して私に差し出す。
ちらりと見えたのはブレスケアと差し出されているのと同じりんごジュース。
「違うのが良かったら申し訳ー」
「ありがとうございます…丁度喉乾いてて…あ、お金返します…！」
「勉強頑張ったご褒美だと思ってくれればいーよ」
鞄から財布を取り出すも、先輩に拒まれジュースとお菓子と一緒に鞄に戻すしかなかった。
先輩が長い髪を耳にかけ、りんごジュースを呷る。
何だか見てはいけないものを見ている気分になる。
「やべー真っ暗。行こ。」
「ここからだったらすぐ帰れるので大丈夫です！」
「Aちゃんが大丈夫でも俺が大丈夫じゃねーの。」
先輩が私の手を掴み引っ張る。
強引に、というわけではなく、配慮した力加減で。
先輩は何もかも私より大きい。
綺麗な手が私の手をぎゅ、と包み込む。
少女マンガでしかみたことない展開だ。
家の前に着くと、またもセンサーライトが点く。
リビングの窓から光は漏れておらず、両親がまだ帰って来ていないのが分かった。
「今日も電話していい？」
「ん…10時すぎからなら。」
「俺と付き合う気になった？」
「なんつうタイミングで聞いてくるんですか…！」
「Aちゃんが避けてばっかりいるから聞いてんじゃん。」
図星。
「…まだ、付き合う気にはなれないです」
「まだ？」
「…………まだ」
「脈アリじゃん。ラッキー」
メンタル強いなこの人。
めちゃくちゃポジティブな先輩とお別れし、この後の電話で何を話そうか考えながら、鍵を回した。
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ちえ - 乙夜の誕生日気がついてたら終わってた。 (12月9日 19時) (
レス) id: ce10ab680a (このIDを非表示/違反報告)
るあちぇ - 先輩後輩系だいすきなんだが！？しかも後輩が女子側のやつがだいすきです、！この作品最高です！！更新頑張ってくださいねー！！！ (9月6日 20時) (レス) id: b2fdbadc01 (このIDを非表示/違反報告)
そらちゃま - えーんTTめっちゃすてきです・・・！更新楽しみにしてます！ (5月19日 15時) (レス) @page19 id: 46f4834660 (このIDを非表示/違反報告)
融点(プロフ) - 死ぬほど好きです、めちゃくちゃ好きです……。更新応援しています……！！ (2023年4月6日 18時) (レス) @page18 id: 6f6f2e1e89 (このIDを非表示/違反報告)
もか@無気力(プロフ) - BAB子さん» いえいえ､自分もついうっかり外し忘れちゃう事とかあるので!皆で教えあっていきましょう💪 (2023年3月27日 20時) (レス) id: 611339ddb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：BAB子 | 作成日時：2023年3月23日 22時
