予測不可能な未来へと ページ34
ｻﾞｯ
敦と芥川はAと水無月の横に並ぶように立った
「四対一か……まぁ、俺に勝てるかどうかは別だがな」
「それはどうでしょうね」
八絃に水無月はそう言った
「あ"？」
「もう、貴方の好きにはさせない！」
敦はそう云うと、半獣状態になる
「ポートマフィアを裏切った事、後悔しろ」
芥川も異能力を発動させる
「無謀な事だ…」
「無謀かどうかは判らない」
Aは八絃の言葉にそう言った
「？」
「ヴァネガットさんの見た未来は既に崩れています……
未来は変わったんです…… “予測不可能な未来„ へと……」
「つまり、俺が負けると？ 巫山戯るな！
寝言は寝てから云え、水無月！！」
水無月の言葉に八絃は拳を奮わせる
氷の刃が宙に作られる
「それは、」
「「「「此方の台詞だ！！」」」」
四人の言葉が重なる
「調子に乗るなァ！！」
氷の刃が四人に向かって放たれる
ガキンッ キンッ キンッ
黒い鎖が氷の刃を破壊する
「A…」
「私に目を取られてると、厄介なのを見失う」
Aがそう言うと、敦と芥川が頭上から八絃に攻撃を仕掛けた
ガキィン
敦の拳と芥川の外套は、分厚い氷の壁に防がれた
攻撃を防ぐと同時に、八絃は四方八方に氷の刃を放った
ガキイィ……バリンッ
「「！？」」
「…クッ……(これ以上は…！)」
氷の刃を防いだAの鎖は、音を立てて壊れた
「Aさん！！」
鎖が壊れ、Aに氷の刃が降り注ぐ
水無月は左手を突き出した
「(クソッ…間に合わない……！)」
ヒュンッ
ズサ ズサ ズサッ
氷の刃は、敷き詰められた
「！……」
「……大丈夫？」
氷の刃がAに届く寸前、敦は虎の脚力を利用してAを氷の刃から守ったのだ
「…大丈夫」
「そっか、良かった…」
Aの返答に、敦は安堵の表情を浮かべた
「！」
「後は任せて！」
敦はそう言うと八絃の方を見た
「本当、似てるんだから……」
「え、何？」
「…異能力『赤と黒』」
Aは何も返さず、異能力を発動させた
赤い文字列が敦と芥川を包む
「「！？」」
「負けたら、承知しないからね」
Aがそう云うと、赤い文字列は消え去った
「！…体が…」
「軽い…？」
敦と芥川の体は戦う前よりも軽かった
「痛みと疲労を取り払っただけ…一時的に、万全の状態で戦える」
「こんなことも出来たの？」
「私は治癒異能力者……貴方達みたいに戦闘向きじゃないんでね」
Aは敦の問いにそう言った
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作者名：朱鷺の砂 x他1人 | 作成日時：2019年8月1日 22時
