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異能力とは何なのか ページ21

「異能力とは何なのか……疑問に思った事はありませんか?」

「…何?」

谷崎は突然のアルベールの言葉に、少し困惑した表情を見せた

対して、国木田はアルベールに向けている拳銃の銃口をブラさない

「素朴な疑問ですよ
この世に存在する『異能力』は、すべての人間に或る訳ではない……
神が人類を皆平等に創ったというのなら、それはおかしいと思いません?」

アルベールは顎に手を当ててそう言った

「それより、鍵を渡せ」

国木田は威圧するように言う

「…私の鍵はあの檻の鍵ではありませんよ」

「え?」

「……どういう心算だ?」

「どういう心算…とは?」

アルベールは、国木田に聞き返す

「何故、そんなことを…?」

谷崎がそう呟いた

「貴方達は敵ですが…こんな偽物の鍵の為に血を流すなんて莫迦らしいと思いませんか?
私はね……出来るだけ平和に終えたいんですよ」

「貴様の持つ鍵が本物かどうかは俺達が判断する
それと……敵を油断させたいなら、もう少し言葉を選ぶんだな」

「生意気な…」

アルベールは悔しそうに唇を噛んだ

「ボク達は、お前に勝って鍵を奪う! 例えそれが、偽物でも」

「何故、そこまで……あの小娘に手を貸す!?」

そこで初めて、アルベールは声を荒げた

「あの小娘は、お前達の敵だろう! 結託する必要は無い筈だ!!」

「確かにな…」

アルベールの言葉に国木田はそう言った

「でも、僕達だけでは、此処には辿り着けなかった」

谷崎はそう言うと異能力を発動させた

「(幻像の異能…)」

辺りに場違いの雪が降る

「谷崎の言う通りだ
俺達が社長と太宰を貴様等から助け出すには、十六夜Aの力が必要だった……共通の目的を持つ奴と手を組むのは当然だ」

「……あの小娘、誰のお陰で…」

アルベールはそう呟くと机の上にある紫色の液体が入った試験管を手に持った

「「?」」

「全く……ここまでイラついたのは久しぶりだ
お前等…一寸、実験体になれよ」

そう言ったアルベールからは、殺気が漏れている

そして、アルベールは手に持っている試験管を床に叩き付けた

パリンッ

硝子の破片と液体が床に散る

すると、液体は一瞬にして気化した

「…毒か!?」

「え!?」

「新しく調合した毒です…君達には、被験体になってもらいます」

アルベールは不敵な笑みを浮かべて云った

互いの思考は理解不能→←『死の先』か『死』そのものか



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作者名:朱鷺の砂 x他1人 | 作成日時:2019年8月1日 22時

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