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狂う歯車 <弐> ページ17

ヨコハマのある捜査本部や軍警本部などの政府機関に沢山の一般人が押しかけていた

彼等の手には探偵社員の指名手配書があった

「探偵社がテロリストなわけないだろ!」

「これは一体如何いう事!?」

「早く事件の犯人を捕まえて下さい!!」

口々に政府機関の職員に言う

「我々もそのことについては何も……」

職員も困惑していた

何故、そんな手配書やニュースが流れていたのか

探偵社が今までやってきたことを考えれば、有り得ないことだった

だが実際、世間にはそのように公表されていた





「…何故、探偵社の無実が……!?」

街の様子や報告を受けた安吾も困惑していた

本には、探偵社を凶悪犯罪者集団に仕立て上げる内容が天人五衰によって書かれていた

本の上書き能力により、探偵社は猟犬に追われている

だが、今のこの状況は逆だ

「本の力が……無効化された?」

安吾は思考を巡らせる

最も、特務課としても探偵社としても、この状況は好機でしかない

何故なら、太宰や福沢等の解放、武装探偵社の復活が可能となるからだ

だが

「(まだ、十日経っていない……)」

天人五衰が次に『頁』に書き込むのは、十日後だと虫太郎から聞いていた

仮にそれが嘘だったとしても、折角犯罪者に仕立て上げた探偵社の無実を証明するような内容は書かないだろう

書いたのが天人五衰でなければ別だがーーーーー

「(『裏頁』に書き込んだのは……別の人間…?)」

一つの可能性が安吾の中に浮かぶ

天人五衰の計画を邪魔する誰か……もしくは組織が居て、何等かの手段で『頁』を奪い取り書き込んだ

それは、絶望という闇に射した希望という光





コツコツコツ

二つの足音

白い壁と塵ひとつ無い床

真っ直ぐと続く通路

そこを二人の男が歩いていた

一人は銀色の長髪に白衣を着ている

もう一人は黒がかった青い短髪に中性的な顔立ちをしている

二人の居る場所は判らない

否、特定出来ない

何故なら、二人が今居る場所は、欧州の何処かにある世界最高峰の異能刑務所『ムルソー』だからだ



ーーーーー
昨日書いて消えていた時の絶望感

狂う歯車 <参>→←狂う歯車 <弌>



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朱鷺の砂 - 夏休み期間なので少し更新速度が上がります (2019年7月22日 22時) (レス) id: 137c29396a (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂(プロフ) - 誤字脱字などありましたら教えて下さい また、作中で分からないこと、分かりにくかったことなどもありましたら教えて頂けると幸いです 他にも、作品やキャラクターについての質問等も受け付けています これからもよろしくお願いします! (2019年6月28日 18時) (レス) id: 4484823ae6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2019年5月19日 7時

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