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傀儡師の正体 <弐> ページ1

「え?」

「「!?」」

虫太郎の言葉に安吾までもが驚きを露にした

「異能力を、二つって…」

「本来ならば有り得ないがな」

「一つは、治癒異能ですね」

虫太郎に安吾が言った

「ああ…それが、十六夜Aの元々の(・・・)異能力だ」

「なら、もう一つは?」

鏡花が虫太郎に聞いた

「…詳しくは判らないが、使い方によっては『殺戮の異能』になるらしい」

「殺戮の異能…」

虫太郎の言葉を敦は呟いた

「虫太郎さん、何故貴方、そこまで詳しく知っているんですか?」

「何?」

「貴方が今話したことを、十六夜Aが自ら話したとは思えません
それに彼女のことです ドストエフスキーにさえ彼女は話していないことがあるでしょう
貴方は一体、どうやってその情報を得たんですか?」

安吾が虫太郎に聞いた

「…聞いたのだ」

「聞いた?」

「カート・ヴァネガットという女だ」

「確か、ドストエフスキーの部下…でも何故…」

安吾はそう呟いて、虫太郎を見た

「恐らく、あの女はドストエフスキーの部下ではない」

「となると考えられるのは……」

内通者(スパイ)…」

虫太郎と安吾の言葉に敦はそう呟いた

「あの女が私に十六夜Aの情報を凡て話した…
そして、『殺されそうになったら助けてやる』と云った」

「!」

「成程…十六夜Aが自分の情報を知る虫太郎さんを殺そうとするのは必然」

「だからあの時、Aちゃんは虫太郎さんを睨んだんだ」

敦は虫太郎を睨むAを思い出して云った

「殺しを邪魔されたから」

「だとしたら、ヴァネガットは一体何者?」

鏡花が虫太郎を見てそう聞いた

「それは判らないが、少なくとも政府側ではないことは確かだろう」

「そうですね」

「…どうしてですか?」

虫太郎と安吾の会話に敦はそう聞いた

「もし、ヴァネガットが政府側なら、先程の情報を凡て政府に渡せばいいだけです
そうすれば、少なくとも虫太郎さんの命が狙われることはありません…でも、そうしなかった
回りくどいやり方です…全く意図が読めない」

「(安吾さんがそう云うなんて…)」

安吾の言葉に敦は不安を感じた





あるビルの屋上

そこに一人の女が佇んでいた

「……フッ」

女はヨコハマの街を眼下に、口元に笑みを浮かべた

カジノの支配人と傀儡師→



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朱鷺の砂 - 夏休み期間なので少し更新速度が上がります (2019年7月22日 22時) (レス) id: 137c29396a (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂(プロフ) - 誤字脱字などありましたら教えて下さい また、作中で分からないこと、分かりにくかったことなどもありましたら教えて頂けると幸いです 他にも、作品やキャラクターについての質問等も受け付けています これからもよろしくお願いします! (2019年6月28日 18時) (レス) id: 4484823ae6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2019年5月19日 7時

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