14 出会い ページ14
side he・
朝イチのグラビア撮影がちょうど終わった瞬間、狙ったように持っていた携帯が震えた。
普段、午前中に連絡をよこす奴なんて殆どいない。
誰だ？と思いながらロックを解除して画面を開くと、そこにあったのは超意外な名前。
最初に会ってから数ヵ月経つけど、未だ一度も連絡をした事が無いあの子からだった。
何かの為にって強引に連絡先を交換したけど
お互いに電話もメールもラインすら送ったことが無いあの子。
それが、いきなりどうしたんだろ？
彼女と逢ったのは、大事だった奴に裏切られて感情のやりどころが無くて
ただ闇雲に雨の中を歩いて辿り着いた先の小さな公園だった。
真夜中なのに女の子ひとりで歩いてて、こっちに気付いてびっくりしてたっけ。
暫くお互い何も言わないまま目だけが合って、少ししたら彼女が『噓でしょ』って言ったから
ああ、俺だってバレたんだなって分かった。
けど、彼女は全然騒ぎもしなくて、ただこっちを見てて。
だから『こんな時間に女の子ひとりじゃ危ねえよ？』って声を掛けた気がする。
したら、綺麗な靴が泥だらけになるのも厭わずに『そちらこそ風邪ひきますよ』って
タオルくれたっけな。
そんで、初対面なのに『ウチきますか？』って言ってくれて。
多分さ、俺もどうにかなってたんだろうね。
普通ならありえねえもん。初めて会った子の家に上がり込むとか。
でもなんでか、そん時は大丈夫だって思っちゃったんだよね。
この子はアイツとは違うって。
・・・実際全然違うし。
てっきり普通のＯＬだと思ってたらすげえマンションに住んでて、入る時にちょっとビビった。
セキュリティが俺んちと同レベルで、何者？って思ったけど、それでもやっぱ危険な感じはしなくて
彼女の言うままに時間差で家に入らせてもらった。
思ったまま『ＯＬだと思ってた』って言ったら彼女はすげえ寂しそうな顔で
こんな家に住んでる訳を初対面の俺に話して、なんも言えなくなった俺に苦笑してた。
その笑顔が悲しそうで、何となく放っておけない感じがしたんだ。
彼女の、古いけれど全然治ってなさそうな傷に触れて、自分だって真新しい傷を持ってるくせに
彼女を癒したいって、思っちゃったんだよ。
今にも泣きそうな顔で失くした恋を話す彼女を、俺が、って。
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seiran(プロフ) - nemuさん» nemu様。こんなにご無沙汰にしていたのにまた読んで頂けてとても嬉しいです(T^T)ありがとうございます!! (2021年4月1日 1時) (
レス) id: ca27f5ec67 (このIDを非表示/違反報告)
nemu(プロフ) - seiranさん、ご無沙汰しています。お話更新して頂けて本当に嬉しいです。ありがとうございます！ (2021年3月30日 22時) (レス) id: c40904f8f1 (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - Fu--chanさん» 年単位のご無沙汰での更新でした。こちらこそ、読んでいただきありがとうございます！ (2021年3月29日 0時) (レス) id: c5223b7e79 (このIDを非表示/違反報告)
Fu--chan(プロフ) - 更新ありがとうございます。 (2021年3月28日 23時) (レス) id: ad6226cb15 (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - nemuさん» こっそりでもいいので(笑)お付き合い頂けたら嬉しいです（＾＾） (2019年3月23日 18時) (レス) id: ace4cd6236 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青藍(せいらん)
作成日時：2017年4月13日 9時
