赤色迷宮マリッジ♯4 (ページ21)

今日:6 hit、昨日:19 hit、合計:1,648,286 hit

130.好キデ、好キデ、好キデページ21

「最近…
全然笑ってないよ、あなた。」

「そんなこと…」

「あるよ。
旦那のことだろ？」

「……。」

「あー、まじ許せねぇわ。
あんな大口叩いてコレかよ？」

「違います！翔さんは…！」

「じゃあなんでこんなに苦しそうなの？
こんなに泣きそうなの？」

「…翔…さん…は…」

二宮せんせーが
抱きしめる腕にギュッと力を入れるから
ますます胸は苦しくなって。

我慢してた涙がポロポロと落ちる。

「なぁ…。」

「…ひっく！」

「どうしても、俺のものになってくれないの？」

それは甘く、切なく
左耳から直に脳に向かって話すように囁かれた。

心臓が痛い。

二宮せんせーのことは
もちろん嫌いじゃない。

でも…

「……。」

「こんなに…辛くて泣いてんのに？
アイツがいいの？
そんな辛い想いまでして…」

そんなの…当たり前ですよ。
だから、辛いんですよ。

「…こんなに辛いのも
どうしようもなく翔さんが好きだからなんです。」

「……。」

「二宮せんせー、本当にごめんなさい。
こんなわたしを好きになってくれて
ありがとうございます…、
でも私…
二宮先生の気持ちには応えられません。」

こんな状況下でやっと伝えることが出来た。
きっと
二宮せんせーを傷付けたんだろう。

でも…
私みたいに苦しまないで欲しいから。

それでも私は

翔さんが浮気してたとして
私をどれだけ傷つけても
私はもう翔さんしか愛せないんです。
好きで好きでおかしくなりそうなくらい。