57.男ノマロン ページ21
空には眩しいほどの太陽！
私の心も清々しいまでの快晴！
スマホの電話帳を開き
"櫻井翔"の文字を見ては
ニヤニヤしてる…
ストーカーのような暗〜い妻。
と、いけない！
歩きスマホはダメだダメだ！
そしてここはもう職員室の前。
気持ち切り替えて
今日も1日頑張りますよ！
「おっはよーございます！
大野せんせーと二宮せんせー！！」
「うっせ！！！」
朝の挨拶をしただけなのに
すこぶる機嫌が悪い二宮せんせー。
あ、今日草むしり当番だからかな？
「そんな全力で
不機嫌をぶつけないでくださいよー。」
「ニノが悪いんだよー！
Aせんせーに八つ当たりしないでよ！」
「うるせー！うるせー！」
「どうしたんですか？大野せんせー？」
両サイドで火花を散らしてる机に
恐る恐る腰を下ろすと
「聞いてよ！Aせんせー！」
大野せんせーに泣きつかれる。
「昨日ニノに100円貸したの。
で、学校帰りに
"男のロマンが詰まったDVD"を買いに行ったらね
なんと100円足りなくて買えなかったの！
それで今ニノを責めてたわけ。」
「男の…マロン？」
ほぉ…
お菓子作りか何かのDVDですかね？？
「だいたいさ、
今時クレジットカード持ってないとか
どんだけアナログなんだよ？
JCBくらい持ってないと世界は救えないよ？」
「マジでか！？
そりゃ、やっべぇーな。」
「でもまー、
100円借りたワタシにも責任があるってもんでしょ？
だから取り敢えずコレ貸してあげるから
コレにお世話になりなさいよ、ね？」
二宮せんせーが机の引き出しから取り出したのは
『家政婦のを見たシリーズ。
高校教師の家政婦はお淫らな教本。』
と書かれたBlu-rayのパッケージ。
え？これが
男のマロン？
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2015年7月10日 22時
