09.ハウトゥメイクイット ページ9
「あと30分で家を出ないと間に合わないからな。
俺が顔洗ってる間に用意しろよ。」
ゆで卵と戦っている最中、
更にプレッシャーを与えられ
ますますパニックになる私。
ゆで卵って
板東英二が好きなやつでしょ？
ああもう！
あの胡散臭い顔しか出てこなくなっちゃった！
と、そこに電子レンジが目に入る。
人気のアイドルさんがCMしている
パンも焼けちゃう最新式の電子レンジ。
そこに入れました。
生卵を。
電子レンジに。
「3分くらいでいいかなー？」
3分でセット。
スタートボタンを押すと
その間にカプセルタイプのコーヒーメーカーで
コーヒーを淹れる。
クロワッサンもトースターで少し温めて。
あら！？
出来ちゃった！
ちゃんと朝ごはんの用意、出来ちゃった！！
するとタイミングよく櫻井さんがキッチンに来て
カウンターテーブルに腰を掛ける。
「やっと食えるな？」
「お待たせしましたぁ〜…。苦笑」
と、その時。
ボンッッッ！！！
「エッッ！？」
「何の音だ！？」
もう心当たりが一つしかないの。
慌てて電子レンジを開けると…
「ゆ、ゆ、ゆで卵がぁぁぁ！！
爆発してるぅぅぅ！！！？」
「っはぁ！？
お前、ゆで卵を電子レンジで作ろうとしたの！？」
「うっ…！
作り方、違うんですか？」
「嘘だろ…マジでかコイツ…。
信じられん。」
はぁぁぁぁ…と
持っていた新聞で顔を隠し
大きなため息を吐かれしまう。
妻というよりも、
主婦というよりも、
女として。
これほど恥ずかしいと思ったことは無かったです。
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2015年6月26日 23時
