33.イヂワルナ夜 ページ33
夕食の片付けを終え
半泣きの私は部屋のベッドにダイブ。
あんだけ恥ずかしい思いをさせられたんです。
私だってイジけますよ。
枕に顔を伏せイジイジしていたら
お風呂上がりの櫻井さんがやって来て
部屋の前でイジけてる私に声を掛ける。
「風呂、空いたけど。」
「……。」
イジケモード全開。
「おーい。そんなにイジけてると
愛されるモンも愛されないぞ？」
「もういいです。
愛されるお嫁さんになりたい！
って思ったのが間違いでした。
ちょっと優しくされて勘違いしちゃったんです。
だから放っといて下さい。」
「なんだそれ？」
可愛くない！
可愛くない！！
分かってはいるんだけど。
はっ！待て待て！
こんな言い方なんてしたら
愛されないどころか離婚なんてことも…！？
うっ…。
どうしよ。
言いすぎちゃった。
枕に伏せていた顔を
チラリと櫻井さんの方へ向けると
目を細め眉毛を釣り上げて私を睨んでいる。
お、怒らせちゃった！！
それから私が横になっているベッドに
ドカッと座り私の頭をクシャクシャにして
また質問攻め。
「へぇー…。
ちなみに勘違いって
何を勘違いしたんだよ？」
「さ、櫻井さんのことを
す、好きかも…って。」
「っはは！
勘違いなの？
本当は好き。の間違いじゃね？」
すっごい自信満々！
悔しい！
こーなったら意地でも認めませんよ！
「ち、違います！！
勘違いでし…！！！」
ムキになった私は
身体を起こし櫻井さんとの距離を詰めて否定…
しようとした。
けど、させて貰えなかった。
だって…。
「んっ！？」
「…ほら、ちゃんと動きに合わせろよ。」
この口は
そのムニムニの柔らかい唇で覆われてしまい
タバコの味がする大人の舌が占領してるから。
「んん！んはッ！？」
終わりに下唇を引っ張られ
チュッという音がしたと思ったら
次はデコピン。
それからこう言ってこの場から去っていく。
「お前は俺のことが好きなんだよ。」
「……。」
パタン…。
ドッカーーーーン！！！
やっぱり旦那様はカッコよかった。
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2015年6月26日 23時
