＃200．SENA's Diary ページ29
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ボヤージュスタッフside
『───賛否両論あることを分かった上でお願いしたんだよね』
コロナ禍に入る前の話。ボヤージュの撮影にあたり「一人ひとりの紹介をテーマに、皆さんの一日に密着」と、メンバー個人に焦点を当てることとなり、ちょうど今日は瀬那さんの撮影日だった。
ある人と待ち合わせをしているとのことで、そこへ向かうまでの道のり、瀬那さんは徐にそう言い放った。
『これは嵐のDiaryで、嵐のメンバーである私のDiaryでしょう？それは十分承知の上で、この人と話したいなって思って、出演をお願いしたんです。このエピソードの公開後のSNSを考えるとちょっと怖いんですけどね』
はは、と苦笑いする彼女に、ただの撮影スタッフの一人にすぎない僕は何も言えなかった。
撮影を通じてこの人に密着していると、強そうに見えて本当は怖がりなのかもしれないと感じることが増えてきたように思う。
『……あっ、もう来てくれてる。お待たせしましたぁ』
「おう」
とあるカフェを貸し切っての撮影。店に入った瞬間、耳に入ってきたBGMのゆったりとした曲調が心地よさを増幅させた。
『───すばる、元気にしてる？』
「相変わらずやな」
『そ。それなら良かった』
「お前も相変わらずデカいな、いろいろ」
『褒め言葉として受け取っておきましょう笑』
渋谷すばる。関ジャニ∞の元メンバー。
瀬那さんが、『この人と話したいけどいい？』と聞いてきた時に少し驚いてしまったのは、申し訳ないけど仕方ないことだと自分に言い聞かせている。
嵐の休止までの裏側。嵐のドキュメンタリー。
そして、嵐の瀬那Aについての個人話。
嵐、活動休止の会見で、『嵐は嵐。関ジャニ∞は関ジャニ∞』と言い切った瀬那さんが、なぜ脱退した渋谷さんを話し相手に選んだのか、僕は今も理由を聞けていない。
そして、その理由が今、明かされようとしている。
『亮も呼ぼうかなって思ったけど、貴方たち二人揃ったら気まずいかなって思ってやめたんだよね』
「それが正解やと思うわ」
『でしょ』
「てか呼んでも来ぉへんやろ、亮は」
『確かに笑』
なんて、「いや、これって使って良いのか？」と思わせる内容を平気で話しながら席に座る二人。
この二人には「気まずさ」は感じない。
本人から直接聞いたわけではないけれど、渋谷さんの脱退後も関係は良好なのだろうと、二人の雰囲気がそう語る。
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＃201．SENA's Diary II→←Twitter in April 2020
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作者名：r | 作成日時：2024年2月3日 18時
