13.関係性ミステリー ページ13
犬顔の彼は
「はぁぁぁぁ…」と重くため息を吐きながら新聞や服で散らかってるソファにドカッと座った。
「ワタシ、しばらく家に女性がいる状況が厳しいの、知ってるでしょ？」
「ん、まぁ…、重々承知しております。」
「な、の、に、めっちゃ女いるじゃん！」
「ホント、ごーめーんー！」
「それに我々、今とっても大事な時期なのに。」
「うす。」
2人にしか分からないやりとり。
大事時な時期？
仕事のことかな？
そもそもこの2人、一体どういったご関係？
職場の同僚とかって感じでもなさそう。
片やお洒落なスーツ姿に片やヨレヨレのダルダルな部屋着のような恰好だもん。
あ。兄弟？従兄弟？
いや、似てないな。
あ、……まさかっ！？
「ご、ごめんなさいっ！
お邪魔虫ですか、私！？」
「「は？」」
「日本もこういう関係性に柔軟になってきてるんですね。
いいんです、はい！
私は居ないものとしてくれれば！
お二人のラッブラブシーンは目に入れないようにしますので！！」
絶対にそうに違いない！
この2人は恋人なんだ！
犬顔さんもイケメンだし！
美男美男カッポー！
「何なのこの人？
翔ちゃんおバカな女好きだったっけ？」
名推理に得意げな顔してウインクバチコーンな私に
犬顔さんが思いっきり呆れた目で見てくる。
そして流すべからず！
バカってストレートに刺してきた。ぐさっ！
「あは…はははっ！
おもしれぇー！」
櫻井さんは腹を抱えて笑いだす。
ですよね。
「やっぱり違いました？」
「俺らは…、そうだな。
ただの職場仲間。
ビジネスパートナーってだけだよ。
な？ニノ？ぷぷっ…。」
ぷすぷす笑いを引きずりながら言う。
「ですって。」
櫻井さんに同調を求められた犬顔さんはどこか他人事のような返事をするけど
答えはシンプルに職場の仲間でした。
だよね、だよね。
「彼女、事情があって無一文でホームレスしてたからこの家のハウスキーパーさんとして住み込みで働いてもらうことにしたんだ。」
「それ凄くない？
通りすがりのワケありホームレス拾ってくるとか。」
「なんかのご縁と思ってさ、ね？」
「18年間、アメリカに、ねぇ…。
ふぅーーーーん。」
少々難色を示す犬顔さん。
そりゃそうだよね。
住むはずの家に変な女がいるんだもん。
でも犬顔さんは何で櫻井さんにお世話になるんだろう？
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2017年11月27日 18時
