31.極 ページ31
「二ノー、
お取り込み中悪いんだけど
出てきたよ、組織が香港から密輸してたブツが♪」
いい雰囲気だったのに
ぬっ、と突然現れた大野。
「ぃ、やったー！
あ…、いや、その…
しょうがないから押収品を確認しないとね。」
押収品？
あ、そういえば組織が密輸してたモノって謎だったな。
それが見つかったのなら私も見ておきたいかも。
「ねぇ、私も確認したいんだけど。」
「はっ！？
いいよ、いいよAさんは。
あ、ほら日付変更したしハッピーバースデーAさん☆
今日は誕生日なんだし早く帰りなよ。」
さっきまであっま甘だったのに
急に雑な扱いになる。
「…ねぇ。何か隠そうとしてない？」
「え！？してない、してない！」
怪しい…。
怪しすぎる…。
「大野、その後ろの手に持ってるのは何？」
「え？えーと、プリン。」
「嘘をつくな！」
「あーっ！」
カシャン…！！
誤魔化そうとする大野の腕を掴まえて上げると
勢いよく飛ばされたのはBlu-rayのケース。
やっぱり…、ドラッグの類だったのね。
それを拾おうと屈むと
最初に押収された空のBlu-rayケースとは様子が違うのに気づく。
「え？
な、何これ…？」
『裏・アイドルんちの家政婦、食べました。』
とタイトルが大きく書かれたパッケージ。
その小さなケースいっぱいに広がるのはそれはそれはとってもお淫らな世界。
しかも修正なし。
日本では違法なやつ。
「だから帰りなよって言ったのにー。」
思わず震える。
「アンタ…、最初から知っててこの捜査に意欲的だったわけ？」
「そんなワケないでしょう！
俺はいつだって全力で捜査してますし、
今回だって真剣に押収品を確認しようと思ってます！」
真剣にやらしいBlu-rayを観る気でしょ！！
ていうか、櫻井警部までゲスだった件！！！
何してんのあの人！？
憧れだった警部が軽蔑の眼差しに変わった瞬間だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3025人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2017年5月25日 23時
