29.ス ページ29
あまりの急展開に浦島太郎状態な私はその場でポカーン。
「ちょっと、Aさん大丈夫？」
二宮の呼び声でやっと我に返る。
「ど、ど、どーゆーことよ！？コレ！？」
「だから、我々は我々で捜査してたのよ。」
「でも何で言ってくれなかったの！？」
「だって警察官は捜査に私情は挟めないですから。」
「そう…だけどぉ！
なにも知らない私ひとりがフライング気味で恥ずかしいんだけど！」
「何も恥ずかしいことないでしょ。
それにAさんが勝手に突っ走ったって
俺は何処までも追いかけるよ。
だからね今日もこうやってトランクの中でずっと見張ってたのよ。」
「え！？アンタずっと車のトランクにいたの！？」
「そうよ。で、二宮さんタイミングを見計らって出てきたワケ。」
「でも…、トランクの中でどうやってタイミングを計れたのよ？」
「あー、それは、ね…。」
ニヤッと笑った二宮は
おもむろに私の左胸を指差した。
「何よ？セクハラ？」
「ちーがーいーまーすー。
御守りの中に御守りが入ってるんですー。」
「は？」
慌てて胸ポケットに入れてあった御守りを取り出し中を覗いてみると…
「何これ？」
「超小型盗聴器ー♪
それで巣鴨に行った時からアナタたちの会話は全て聞かせてもらってたのよ。
バカ相葉がNKの情報を知ってたのは一緒に盗聴してたからってワケ。」
「え？待って待って！！
この盗聴器の盗聴範囲ってどれくらい？」
「あ、気づいちゃった？
せいぜい50mくらい。
だからね、先輩が巣鴨で見た俺は本物の俺。
その隣にいた女は女装した相葉さんだったのよ。」
「な…っ！！！」
ヘナヘナ〜と力が抜けていく。
そういう事？
じゃあ二宮は浮気してたワケじゃないのね！？
「ゴメンね、隠してて。
これでも心が痛かったんだから。」
ヘナヘナになった私の手を掴んで謝る。
ホント、ずるい男。
「もうっ…なによ、なによ！！
やる気ないように見せかけて、ぜーんぶ二宮が解決させたんじゃない！」
「ゴメンね。」
「あの時…、二宮が来てくれなかったら本当に死んでたかもしれない…。」
「死なせませんよ。
絶対に。
俺がAさんを守るんだから。」
何よ…、それっ！
ひきこもりのくせに、生意気ぃ！
「…警部はこの世界に正義なんてないって言ってたけど、やっぱりいた。」
「ん？」
「二宮は正義のヒーローだよ！
カッコ良すぎてムカつく！！」
「…なによ、ソレ。」
私の言葉に赤くなる二宮。
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2017年5月25日 23時
